耐えられるレベルに保たれた絶望 出る前からベストセラーとなることが約束されているが、衝撃的な内容で毎度毎度、物議を醸し、フランスのみならず世界中の読者を困惑させる作家、ミシェル・ウエルベックの、2019年初めに出た最新作の邦訳が早くも刊行された。 前作『服従』は、2022年のフランス…
読み手の心に静かな熱を生む あのブロニスワフ・ピウスツキを描く小説があらわれたとは! 本書の刊行を知ったとき、驚きと期待、そして、正直に言えばいくばくかの不安が心の中でせめぎあった。ブロニスワフは実在の人物で、帝政ロシア末期の1887年に皇帝暗殺未遂事件に連座し、政治犯としてサハリ…
第161回選考会をもって、選考委員の髙樹のぶ子さんが選考委員を“卒業”することになった。「35年間、『化けなきゃ』と思い続けた」という髙樹さん。現在の心境を聞きました。/髙樹のぶ子(作家)