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詩 / 萩野なつみ【全文公開】

冬の底で どこまでも 眼をとじていた、とどかない胸に触れながら 親しく砕かれてゆく日々の 瞬きのたびに零れる音符 うなずけば 風が生まれて どの...

詩――最果タヒ【全文公開】

ときめき狂 いつも居心地が悪いのです、愛はどこにもないし、恋もどこにもない、ひとのこころを裂くようにして、向こう側まで探しに行けば見つかる気が...

詩ーー十田撓子【全文公開】

静かな木 かれは眠っている 坐ったまま眠っている 喉を締め上げられて 漆を少しずつ流し込まれて かれは眠りながら声を失っていた 夏が終わる ま...

詩――松川紀代【全文公開】

隣 この世が終わって あの世に行くのではなく 目を閉じて歩いてゆくとあの世に入っている いつも化繊のスカートを引きずってた隣のお婆さんがそうだ ...

詩――野木京子【全文公開】

汽水域 母の舟が時の川霧を押し分けて現れた 空ろな刳り舟のようだったが まっすぐ流れてきたので その日から 私は死んだ母の舟に乗って生きている ...