文藝春秋digital

コロナに萎えた心を奮起させてくれる日記|綿矢りさ【田辺聖子「十八歳の日の記録」】

コロナに萎えた心を奮起させてくれる日記|綿矢りさ【田辺聖子「十八歳の日の記録」】

田辺聖子さんの「十八歳の日の記録」を作家の綿矢りさ氏はどのように読んだのか。 綿矢さん 田辺聖子先生はたくさんの作品を出されているが、亡くなられたあとに見つかった個人の日記だから、読まれると思って書いてないだろうなと思うと、罪悪感がわいた。読むうちにたちまち引き込まれていったが。頭脳明晰さの伝わる、明快な文章で、戦中戦後の日々が綴られていた。

スキ
10
記憶の余得|藤原正彦「古風堂々」

記憶の余得|藤原正彦「古風堂々」

文・藤原正彦(作家・数学者) 幼い頃から悪戯で親に心配ばかりかけたが、記憶力だけはよかった。5歳の時には九九を、6歳までには世界各国の首都から将棋、囲碁、麻雀まで覚えてしまった。勢いは中学校でも衰えず3年間で英単語6000以上、独仏語では基本文法に加えそれぞれ1000以上の単語を覚え今も覚えている。新しい知識がスポンジのように吸いこまれるのが脳にとって快感だったのだろう。 3年ほど前、小学校2年生まで通った神田の小学校の同窓会の知らせがきた。たった2年しか通っていないから

スキ
13