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#映画評論

『文藝春秋digital』2022年6月ラインナップ

■会員限定イベント●6月8日(水) ・新庄剛志「薬物使用」の過去 抜き打ち検査で「陽性」も、詳細は伏せられ、その年に引退―― 鷲田康(ジャーナリスト)+本誌取材班 ●6月10日(金) ・プーチンが最も殺したい男の告白 M・ホドルコフスキー(オリガルヒ・石油会社「ユコス」元代表)「ウクライナ侵攻は彼の個人的な動機から始まった」 ・「性暴力」私は負けなかった 卜田素代香(仮名)「暴行後『証拠が残るからシャワーを』と男が強いてきました」 ・新連載 外事警察秘録②「日本赤軍との闘い

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スターは楽し エディ・マーフィ|芝山幹郎

エディ・マーフィ 「複数の色彩」という鉱脈見終わった直後は、「エディ・マーフィが、久しぶりに鉱脈を見つけたな」という程度の印象だった。 ところが、妙に舌に残る。面白さがじっくりと煮込まれていて、後味がよい。舞台になった1970年代のロサンジェルスを、私自身が思い出したためだろうか。あの時代特有の「楽しい猥雑さ」や「笑えるはしたなさ」がそっくり再現されていたのは望外の収穫だった。いまの私は、『ルディ・レイ・ムーア』(2019)に奇妙な愛着さえ覚えている。 ムーアは実在

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スターは楽し 吉永小百合|芝山幹郎

吉永小百合 「ふん」に託された陰翳吉永小百合のことを書くとは思っていなかった。この人の魅力はよくわからない、嫌いだと思ったことはないが、結局は縁のない人だ。そんな気持を、私はずっと抱きつづけていた。 そんなわけだから、世間が騒いでも、気分は醒めたままだ。サユリストという流行語にもぴんと来ない。おまえの眼が節穴だからだ、となじられようが、あ、そうですかと聞き流すだけだった。 きっかけのひとつは、コロナ禍だったかもしれない。ウイルス感染に対する恐怖や不安、経済活動に対す

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スターは楽し ジャック・レモン|芝山幹郎

ジャック・レモン AF Archive/Mary Evans Picture Library/共同通信イメージズ 上質のハム『お熱いのがお好き』(1959)、『アパートの鍵貸します』(1960)、『あなただけ今晩は』(1963)……。 私が小学校や中学校に通っていたころ、ジャック・レモンが主演したビリー・ワイルダーの映画は圧倒的に人気があった。子供の私は封切で見なかったが、年長のおじさんやおばさんたちは、口をそろえてこの連作を褒めちぎっていた。 ふうん、そんなに面白

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スターは楽し シアーシャ・ローナン|芝山幹郎

シアーシャ・ローナン ©ロイター=共同 早熟にとどまらぬ大器早熟が人間の形をして歩いている。 『つぐない』(2007)のシアーシャ・ローナンを見たとき、私は雷に撃たれたような驚きを覚えた。 大げさに聞こえるだろうが、これは本音だ。全体の印象も素晴らしかったが、彼女がカントリーハウスの内部を足早に歩きまわる場面で、完全にノックアウトされてしまったのだ。あの足音は、彼女がタイプライターを叩く音とシンクロナイズしている。 撮影当時12歳のローナンは、13歳のブライオニー

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スターは楽し ハビエル・バルデム|芝山幹郎

ハビエル・バルデム ©PARAMOUNT PICTURES/MIRAMAX FILMS/SCOTT RUDIN PRODUCTIONS/Ronald Grant Archive/Mary Evans/共同通信イメージズ 夢と悪夢の振り子叩いても壊れそうにない体躯。「地上最悪」と呼びたい髪型。どんよりと曇った三白眼。全身から放電される危険な気配。逃げ場のない細い夜道で、こんな男が前方からやってきたら、どうすればよいか。さっさと踵を返すべきか。肚を決め、息を止めて歩を進める

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