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馬場あき子さんのおふくろの話

馬場あき子さんのおふくろの話

著名人が母親との思い出を回顧します。今回の語り手は、馬場あき子(歌人)です。 2人の母をもつゆたかさ 私の生みの母の記憶は、ほとんど写真に残されたものから構成されている。昭和3年、私を生んだ母はやがて結核を病んだ。当時結核はまだ不治の病とされ、その家の前を通るのも嫌がられていたらしい。母はそのことを自覚していて、私を祖母の手に委ね、ほとんど私を抱こうとしなかったと聞く。 いま写真として残っている母は、小康を得ていた時の記念に撮ったものという。いかにも繊細で知的な神経質そ

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同級生交歓|鳥取県立鳥取西高校 平成20年卒

同級生交歓|鳥取県立鳥取西高校 平成20年卒

東京都千代田区 文藝春秋本社にて(撮影・榎本麻美) (右から) 作家 水原涼 歌人 𠮷田恭大 𠮷田とは小学校以来の付き合いだ。高校1年の冬、同人誌を立ち上げた𠮷田に言われた、小説でも書かんか、という一言を憶えている。それ以来ずっと、私は小説を、𠮷田は短歌を作りつづけている。

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永田和宏&永田紅“父娘歌人”が選ぶ「コロナ禍の歌」

永田和宏&永田紅“父娘歌人”が選ぶ「コロナ禍の歌」

コロナ以後、朝日歌壇への投稿が増え、そのうち6割~7割がコロナ関連の歌だという。永田和宏さんと永田紅さん親子は、歌人の河野裕子さんを10年前に自宅で看取った。どんな時でも日々の生活を歌にして詠むことへの思いを明かす。/文・永田和宏(歌人・細胞生物学者・JT生命誌研究館館長)×永田紅(歌人・細胞生物学者・京都大学特任助教) 投稿の6割7割がコロナ関連 和宏 妻(歌人の河野裕子)が10年前の夏に亡くなってからというもの、同じ京都市内で暮らす紅が、週に4日はうちに来てくれていた

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ホスト万葉集|俵万智

ホスト万葉集|俵万智

文・俵万智(歌人) 2年ほど前から、歌舞伎町のホストのみなさんと歌会をしている。「ホストたるもの短歌の一つも詠めてほしい」という手塚マキさんの発案だ。彼は、元ナンバーワンホストで、現在はホストクラブはじめ飲食店や美容室を経営する実業家。ホストに大事なのは「お客様のちょっとした一言から、背景や気持ちを読みとること、そして短い言葉で的確に思いを伝えること」だという。短歌を詠み、また短歌を読むことは、そのトレーニングにうってつけだと手塚さんは考えた。 「それは面白そう!」歌人の

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