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文藝春秋digital読者の皆さまへ、編集長より最後のお願い【「文藝春秋 電子版」1年無料プランのご案内】

5月31日、「文藝春秋digital」はクローズいたします。 これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただきまして、誠にありがとうございました。 先にもお知らせした通り、月刊文藝春秋のサブスクリプションは「文藝春秋 電子版」に一本化します。これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただいた皆さまには、突然のお知らせになったことを、改めてお詫び申し上げます。 「文藝春秋digital」のサービスが終了しますと、6月から皆さまに最新記事をお届けできなくなってしまいます

石原慎太郎夫妻「愛の俳句集」 石原延啓

 昨年の2月1日に父・慎太郎が亡くなり、後を追うようにして母・典子が亡くなったのが3月8日でした。それからあっという間に1年が経とうとしています。密かに夫婦で俳句の句集を出そうと計画していたことは、母が亡くなったあとで初めて知りました。  母は「パピルス会」という気の置けない仲間と俳句を作る会に入っておりましたが、葬儀の際に近所にお住まいの会員の方から「由美子(旧名)さんは、いつも一生懸命に俳句を詠まれていたので、句やエッセイを掲載した会の句集を是非とも棺の中に入れてあげた

全盲夫婦が“見る”幸せ 秋山千佳

 大阪市内のにぎやかな駅前から、信号を3つ渡った先のファミリー向けマンションに、ある若い夫婦の自宅がある。 「ルイボスティーです。もし苦手だったら残してくださいね」  2022年の暑い季節の昼下がり。夫が出してくれた冷たいお茶で喉を潤しながら、室内を見回した。  リビングは整頓されているが、旅先で撮った2人の写真や、クマやクジラなど色とりどりのぬいぐるみが温もりを添えている。キッチンのIHコンロには磨かれたやかんが、棚には使い込まれた調理用具がきれいに収まっている。

桂文枝 新婚さんさようなら!

「愛してるー!」と叫んで入れ歯が飛んだ夫、ひげを生やした奥さま。夫婦は落語より面白い。/文・桂文枝(落語家) 桂さん 番組をメジャーにした思い出のアシスタント 3月27日の放送を最後に、「新婚さんいらっしゃい!」(以下、「新婚さん」)を勇退することにしました。番組の司会を51年と2カ月も続けられて、今は正直ホッとしています。なんでもそうですけれども、始まりがあれば終わりがあります。番組を卒業するからといって特別な気持ちはありません。いよいよ卒業するんだなあというのが本音で

石原延啓 父・慎太郎と母・典子「この写真が一番可愛いだろ」父は古いアルバムを取り出し……

文・石原延啓(画家) 石原氏 母の生涯は「父がすべて」母の葬儀の際に印象深い出来事がありました。 棺に入った母の姿を見た姪が「マーちゃん(おばあちゃん)はいつも前髪を気にしていて、綺麗に整えていたのではなかったかしら」と言い出したのです。兄嫁たちも、そうだそうだと同調し、改めて前髪をおろしてもらい馴染のある姿に整えてからお別れをいたしました。 随分と前に父から前髪をおろした方が好みだとでも言われたのでしょうか、いつも父が望む姿でいたくて前髪を整えていた。男兄弟なんてが

上沼恵美子「社長賞をかち割った」関テレさんへの怨念はなかなか消えない

「ずっと家にいても心が腐る」。思いついたのがYouTubeでした。/文・上沼恵美子(タレント) 上沼さん 怒られる筋合いはない 8カ月ぶりに『文藝春秋』さんからお声がかかりました。 昨年8月号に寄せた手記(『芸能界を引退しようと思った』)は、おかげさまで大反響をいただきました。大阪、いや関西中の本屋から『文藝春秋』が消えたそうです(笑)。 あのテレビ局の悪口を言ったからでしょうか。一昨年7月、突然最終回を迎えた「快傑えみちゃんねる」(関西テレビ)のことです。手記では初

小池真理子「かたわれ」の死を書く 夫の死は、奈落の底に突き落とされたようなものでした 聞き手・佐久間文子

小池真理子(作家)、聞き手・佐久間文子(文芸ジャーナリスト) 小池さん 「今しか書けないものを書き残しておこう」作家の藤田宜永さんが肺腺がんのため亡くなったのが2020年1月30日。妻の小池真理子さんとは、おたがいを「かたわれ」と思う、強く結ばれた関係だった。最愛の夫を見送った心境を『月夜の森の梟』(朝日新聞出版)につづった小池さんに、波乱に富んだお二人の37年について聞いた。 ——『月夜の森の梟』の連載が朝日新聞で始まったのは、藤田さんが亡くなって半年もたたない時期で

『九十歳のラブレター』著者・加藤秀俊さんインタビュー

今から2年前、加藤秀俊さんは妻・隆江さんを喪った。朝食の準備を済ませ、部屋まで呼びに行くが返事がない。 〈あなたは目を見開き、口をあけたままうごかない。いつもなら握り返してくれるはずの手は冷たく、なんの手応えもなかった〉 原因は虚血性心不全。お互いに90歳を目前に控え、どこか覚悟はしていたが、その別れは突然のことだった。 戦後日本を代表する社会学の泰斗にして、『孤独な群衆』の翻訳や『メディアの発生』など数々の著書を世に出してきた加藤さん。小松左京らと、大阪万博のブレーン

森村誠一「うつ病を乗り越えた夫婦の証明」老人性鬱病、認知症との壮絶な戦い

老人性うつ病、認知症との壮絶な戦いの日々を夫人が語った。/文・森村千鶴子(森村誠一夫人) 森村千鶴子氏 公演前日に「行きたくないな」 ちょっと、おかしいな。私が主人を見てそう感じるようになったのは5年ほど前のことでした。それまで、とても楽しみにしていた、混声合唱組曲「悪魔の飽食」の公演へ行くのを嫌がるようになったのです。 この曲は、神戸市役所センター合唱団の求めに応じて主人が原詩を書き、池辺晋一郎さんが作曲してくださったもので、25年ほど前から全国各地で公演が開かれるよ

大河ドラマじゃ見られない! 渋沢栄一「2人の妻とお妾さん」鹿島茂

「日本資本主義の父」が愛した女性だけに見せた顔──。/文・鹿島茂(フランス文学者) 鹿島氏 真砂に住むお妾さん 「帰途一友人ヲ訪ヒ、夜十一時半帰宿ス」 500の企業を育て、600の公共事業に携わった実業家・渋沢栄一。彼の日記には、しばしば「一友人」という言葉が登場します。どうやらこれはただの友人ではなく、親しくしていた女性を指すらしい。 日記を書いたとき、渋沢は68歳。真砂に住むお妾さんを頻繁に訪ねていたようですが、彼には、生涯で彼女のほかにも何人も親しい女性がいたこ

上沼恵美子 独占手記「芸能界を引退しようと思った」

M‒1、番組降板、夫婦関係…… 50年の芸能人生を語り尽くした。/文・上沼恵美子 上沼恵美子さん 一変した収録現場コロナが本当に憎い。こんなに憎いものはありません。この1年半、本当に辛い思いを味わっています。 コロナのせいで、テレビ・ラジオの収録現場は一変しました。 いま私が抱えているレギュラー番組は、「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」(朝日放送テレビ)、「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ)、「上沼恵美子のこころ晴天」(朝日放送ラジオ)の3本です。 27年目を

世界経済の革命児 オズレム・トゥレチ/ウール・シャヒン(バイオンテック創業者)|大西康之

ジャーナリストの大西康之さんが、世界で活躍する“破格の経営者たち”を描く人物評伝シリーズ。今月紹介するのは、オズレム・トゥレチ/ウール・シャヒン(Özlem Türeci/Ug˘ur Şahin、バイオンテック創業者)です。 オズレム・トゥレチ(右)とウール・シャヒン(左) 新型コロナのワクチンを開発した企業を創業した移民夫婦「160万人以上の命を奪った病気に対して、人類が初めて効果的な反撃を開始した時、そのワクチンを開発した会社の共同創業者たちは、世界中の規制当局に

私達らしいあり方|牧野紗弥

文・牧野紗弥(モデル) 私は1997年頃から芸能活動を始め、25歳で会社員の夫と結婚しました。現在は女性誌や広告でモデルとして仕事する一方、11歳の子をはじめ3児の母でもあります。 2年ほど前、私は育児や家事のボイコットを宣言しました。夫婦間で育児や家事をめぐる喧嘩が絶えず、「私に比べたら何もやってない」「俺だってやってる」の繰り返し。もう限界でした。そこで私がこなす家事や育児を1週間、夫にしてもらうことにしました。夫は快諾。自信もあったんでしょう。働きながら黙々と進めて

【朝ドラ『エール』対談】窪田正孝×二階堂ふみ「夫婦の愛を語る」

作曲家の古関裕而・金子のふたりをモデルにした夫妻を描いたNHK朝の連ドラ「エール」に出演した窪田正孝さんと二階堂ふみさんが対談しました。激動の昭和を生き抜き、2人がもっとも印象に残ったシーンは? <この記事のポイント> ●コロナで収録が中断していた間、ふたりはSNSで連絡を取り合うなど、それこそ「エール」を送り合っていたという ●「志村けんさんとの共演は僕の財産」と窪田さんは語る ●初めての朝ドラ出演だったという二階堂さんは「朝ドラは見てくださる方々と一緒に作っていくもの」