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#保阪正康

『文藝春秋digital』2022年10月ラインナップ

■会員限定イベント■文藝春秋digitalの配信予定記事(2022年11月号)●10月7日(金) ・台湾危機「自衛隊は一緒に戦って」 掲仲 聞き手・牧野愛博 ・渡邉恒雄 文藝春秋と私「百歳まで生涯一記者だ」 ・森喜朗が脅された夜 西﨑伸彦 ・春樹と歴彦「角川家」の祟り 森健 ・岩田明子 安倍晋三秘録②「シンゾーには負けた」 ・コロナと戦った3人の総理 尾身茂 ・松田聖子と神田沙也加 若松宗雄 ・三人の卓子 ●10月8日(土) ・エリザベス女王 世界一見事な終活 現地レポート

保守の真髄とは何か 保阪正康

 保守という語にはさまざまな意味がこもっている。私たちの青年期(1960年代)は、保守という語に反動とか頑迷といった語が重なり、右翼側に分けられるといった時代であった。他人から保守などとレッテルが貼られるのは、極めて不愉快であり、侮辱されているとの感もあった。

両陛下に大本営地下壕をご案内いただく 保阪正康

「この前、悠仁と散歩しました」 御所は吹上御苑(ふきあげぎょえん)という巨大な森の中にある。

平成の天皇皇后両陛下大いに語る  保阪正康

保阪正康 「軍部が欲した「国家の勲章」 日本の地下水脈28

勲章制度は国のあり方のバロメーター秋はまた叙勲の季節である。叙勲は毎年4月と11月、毎回おおむね4000人が対象となっており、いわば春秋の恒例行事となっている。 だが、あまり知られていないが、叙勲には根拠法が設置されていない。日本国憲法第七条は「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ」とあり、同条第七項に「栄典を授与すること」と定められている。しかし、詳細については法的な根拠が定められていない。そのため、実質的には明治時代の太政官布告や戦前

保阪正康 日本の地下水脈(27)

「ポスト安倍」時代に知っておきたい。アメリカの本質とは?/文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 「この国をどのように守るのか?」 安倍晋三元首相の「国葬」が、国論を二分するなかで行われた。これによって、安倍元首相の時代にひと区切りがつき、これから日本の政治は「ポスト安倍時代」に入る。 だがポスト安倍時代に入ったにせよ、日本の安全保障をどうするのかという根本的な課題は変わらない。ロシアがウクライナに侵攻を開始してから7カ月が過ぎたが、いまだ

「テロ連鎖」と「動機至純主義」 保阪正康

「動機が正しければ、何をやっても許される」のか? 「日本の地下水脈」第26回 特別編/文・保阪正康 (昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 不幸な歴史を繰り返さないために 7月8日、安倍晋三元首相が奈良県で遊説中に銃撃され、そして死去した。 私自身は安倍元首相の政治姿勢や歴史観を、どちらかというと批判的な目線で見てきた。しかし、このようなかたちで安倍元首相の命が失われたことは、日本社会のみならず世界にとっても大きなマイナスであり、心より哀悼の意を捧げた

「擬態」としての日米同盟 「保守」が「親米」となる倒錯はなぜ生まれたのか? 保阪正康 日本の地下水脈25

文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 日米関係の根源 2022年は明治維新(1868年)から数えて154年になる。そのちょうど折り返し地点が、奇しくも日本がアメリカとの戦争に敗北した昭和20(1945)年である。 前回は、その前半の77年間における日米関係の近代史を検証した。 鎖国を続けてきた日本は、アメリカの圧力によって開国し、その後は近代国家としての道を歩み始めた。日米両国は同じ新興帝国主義国家として、特別の親近感で結ばれていた。日

保阪正康 良心とマキャベリズムのアメリカ キリスト教精神とは裏腹の外交的老獪さ――二面性を見抜けなかった日本の悲劇 日本の地下水脈24

文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 日米関係の近代史を振り返る 沖縄は本土復帰50年を迎えた。復帰当時は「核抜き、本土並み」と喧伝されたが、在日米軍基地の返還は進まず、今も全国の7割の米軍専用施設が、国土全体の面積の約0.6%でしかない沖縄に集中し、「本土並み」は実現していない。そして、基地が集中しているがゆえの苦悩を、沖縄は背負わされている。 1995年、米兵3人が小学生の女児に性的暴行をするという凶悪事件が発生した。だが日本の捜査当

保阪正康 幻想と裏切りのロシア「力の信奉者」という本質を見誤った日本の悲劇 日本の地下水脈23

「力の信奉者」という本質を見誤った日本の悲劇。/文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 日露関係の近現代史の底流今回のロシアによるウクライナ侵略を受けて、日本はアメリカ主導の対ロシア経済制裁に加わっているが、その対応は後手に回っている。 そんな中、ロシアは日本に揺さぶりをかけてきた。3月下旬に北方領土交渉を一方的に停止し、同地域での軍事演習を開始。4月上旬にはロシアの元上院議長で左派政党「公正ロシア」のミロノフ党首が「北海道のすべての権利は

軍事哲学なき日本の悲劇 保阪正康 日本の地下水脈22

「軍事は政治に従属する」。クラウゼヴィッツの大原則を、なぜ日本は理解できなかったのか?。/文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 真っ当な「軍事学」 ロシアのウクライナ侵略により、国際情勢は混迷を極めている。 当初はロシアの軍事的制圧が予想された。しかしNATO諸国や他の中立国からの支援を受けたウクライナの抵抗は激しく、世界各国が経済制裁で足並みを揃えたことで、ロシアの思うようには進んでいない。さらにロシア軍による民間人への無差別攻撃や大量

保阪正康「軍服を着た天皇」“天皇の戦争責任”の問いの前に知っておきたい 日本の地下水脈21

「天皇に戦争責任はあるのか?」。その問いの前に知っておきたい歴史的事実。/文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 「天皇と戦争の関係」前回見たように、日本人にとって皇室とは「聖なるもの」の地下水脈を体現した存在であった。 皇室は、社会関係、生産関係、経済関係を持たない。日本人はそこに「聖なるもの」を見出してきた。俗世間に生きる人々は、生きるためのしがらみの中で、ときには俗悪な行為に手を染めなければならないが、「聖」が存在することによって、比

「『聖』と『俗』の天皇論」保阪正康 日本の地下水脈20

「聖」は「俗」とは交わらない。だからこそ天皇は日本人に必要な存在であったのだが……。/文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 私たちは決断を迫られる 昨年末、安定的な皇位継承のあり方などを議論してきた政府の有識者会議が最終的な報告書をまとめた。皇族数を確保する方法として、(1)女性皇族が結婚後も皇室に残る、(2)旧皇族の男系男子を養子に迎える、の2案が盛り込まれた。皇位継承の議論については「機が熟していない」として触れていないが、男系男子の皇

「国家神道に呑み込まれた宗教」保阪正康 日本の地下水脈19

国家神道への隷属の果てに起きた廃仏毀釈の嵐と大本教への大弾圧。/文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 「与えられた象徴天皇制」象徴天皇制が大きな曲がり角に差し掛かっている。秋篠宮家の長女・小室眞子さんの結婚が、国民が抱いてきた皇室へのイメージを一変させ、世論の分断も招いているからだ。皇室は戦後長らく国民の融和と統合の象徴であり、国民は皇室に尊崇と敬慕の情を抱いてきた。そうした構図が変わってしまいかねない瀬戸際に、今、私たちは立っている。