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文藝春秋digital

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文藝春秋digital読者の皆さまへ、編集長より最後のお願い【「文藝春秋 電子版」1年無料プランのご案内】

5月31日、「文藝春秋digital」はクローズいたします。 これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただきまして、誠にありがとうございました。 先にもお知らせした通り、月刊文藝春秋のサブスクリプションは「文藝春秋 電子版」に一本化します。これまで「文藝春秋digital」をご愛読いただいた皆さまには、突然のお知らせになったことを、改めてお詫び申し上げます。 「文藝春秋digital」のサービスが終了しますと、6月から皆さまに最新記事をお届けできなくなってしまいます

缶詰部屋にて――阿部智里

文・阿部智里(作家) 「缶詰」と聞けば、世の多くの人は金属の容器に密閉された加工食品を思い浮かべるだろう。だが、進捗の思わしくない原稿を抱えた作家にとって、「缶詰」とは締め切り前に行われる軟禁のことを意味する。そして天下の文藝春秋社には、「執筆室」という缶詰専門の部屋が存在しているのだ。  かの立花隆先生がコンロを持ち込んで鍋をしたという伝説を持つその部屋は、パッと見、ホテルの一室のようだ。ユニットバスにベッド、冷蔵庫やテレビまである。清掃の人も入ってくれるし、ホテルと違