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船橋洋一の新世界地政学 台湾:戦略的曖昧性と戦略的明瞭性

船橋洋一の新世界地政学 台湾:戦略的曖昧性と戦略的明瞭性

今、世界では何が起きているのか? ジャーナリストの船橋洋一さんが最新の国際情勢を読み解きます。 先月の日米首脳会談後に発表された共同声明は、「日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記した。 日米共同声明で台湾に言及したのは1969年の佐藤・ニクソン会談後、52年ぶりのことである。この時は、「台湾地域における平和と安全の維持も日本の安全にとって極めて重要な要素」であるとの文言が入った。それに比べても、今回の文言は、ことさ

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いまこそ内政干渉を|藤原正彦「古風堂々」

いまこそ内政干渉を|藤原正彦「古風堂々」

文・藤原正彦(作家・数学者) 先日、コロラド州ボールダーのスーパーで銃乱射があり10名死亡、とのニュースを見て思わず声を上げた。このキングスーパーズは私の住んでいたアパートからほど近い、何度か買物もしたことのある店で、世界的数学者シュミット教授のお宅にお招ばれの時は右折(ガールフレンドのジャンの所に行く時は左折)の目印としていた所でもある。 アメリカが銃乱射の国であることは半世紀も前に耳にしていた。渡米を控えた私に、ペンシルバニア大学数学教室での事件について恩師のⅠ先生が

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日米豪印「クアッド」で台湾を守れ! 米中“新冷戦”のフロントライン

日米豪印「クアッド」で台湾を守れ! 米中“新冷戦”のフロントライン

台湾有事となれば、日本は必ず巻きこまれる。/細谷雄一(慶應義塾大学教授)×梶原みずほ(朝日新聞編集委員)×山下裕貴(元陸将・千葉科学大学客員教授) <summary> ▶日米の共同文書に「台湾」が明記されたのは、1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領との会談時以来。歴史的な出来事だ ▶中国の台頭により、米中による“新冷戦”が始まった。そのフロントラインは日本や台湾になる ▶重要なインドは民主主義陣営に引き込んでおきたい。中国側に行かないようにするのに、クアッドは効果的な装

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船橋洋一の新世界地政学 Quad Vadis?

船橋洋一の新世界地政学 Quad Vadis?

今、世界では何が起きているのか? ジャーナリストの船橋洋一さんが最新の国際情勢を読み解きます。 バイデン米大統領の呼びかけで日米豪印4か国の首脳会議(Quad)が先月、オンラインで開催された。トランプ政権時代の2018年以降2回、外相会議が開かれたが、首脳会議は初めてである。 もともとは第1次安倍晋三政権が推し進めようとした構想である。しかし、インドは中国を刺激することを恐れ消極的だった。オーストラリアも対中経済関係への悪影響を懸念した。肝心の米国も半身の対応で、結局、不

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船橋洋一の新世界地政学 日豪同盟の時代

船橋洋一の新世界地政学 日豪同盟の時代

今、世界では何が起きているのか? ジャーナリストの船橋洋一さんが最新の国際情勢を読み解きます。 日本も豪州も相手国への新任大使を拝命した外交官たちは、同僚にうらやましがられる。「いいですねえ、何にも懸案がないところで……」。 しかし、これからの時代、それは大きく変わるだろう。日米それぞれの大使がそうであるように、日豪の大使も自国の死活的な安全保障の課題について、相手国との戦略的協力を強化する重要な任務を負うことになる。日豪は日米同盟のように条約に基づくものではないにしても

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嘘つき文化|藤原正彦「古風堂々」

嘘つき文化|藤原正彦「古風堂々」

文・藤原正彦(作家・数学者) ある中国人は「私は家でも学校でも、嘘をつくなと言われたことがない。嘘をついて怒られたこともない」と言った。「嘘つきは泥棒の始まり」と親から言われる日本人とは大分違う。別の中国人は、「子供の頃から、外出する時には親に『騙されないようにね』とよく声をかけられた」と言った。清末の中国で50年余り布教活動をした米国人宣教師アーサー・スミスは、「中国人には嘘が多いため相互不信が蔓延していて揉め事が多い」と書いた。中国をよく知る人はしばしば「嘘と騙しは中国

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茂木敏充「私はシーザーのようになりたい」――連続インタビュー「ポスト安倍」に問う。

茂木敏充「私はシーザーのようになりたい」――連続インタビュー「ポスト安倍」に問う。

9月の内閣改造で外務大臣に抜擢された茂木敏充氏。経済再生大臣として日米貿易交渉をまとめあげ、トランプ大統領から「日本のネゴシエイターはタフだ」と評価された。