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森絵都さんが今月買った10冊の本

森絵都さんが今月買った10冊の本

語られない記憶 時々、飲み会の席などで「自分の人生は小説になる。ネタにしてもいいよ」みたいなことを言われることがあるけれど、今のところネタにさせてもらったことはない。真なる小説の種は、人々が秘して語らない記憶の中にこそ潜んでいる気がする。 長編小説『十の輪をくぐる』は、病を機に意識が朧になった母・万津子がひた隠しにしてきた過去を、58歳の息子・泰介が追う話だ。万津子の呟き「私は……東洋の魔女」は何を意味しているのか。若くして夫を亡くした彼女は、2人の幼子を抱えた身でなぜ寄る

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森絵都さんが今月買った10冊の本

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「自由」の概念マスクを巡る論争が続いているけれど、欧米の各地で「マスクをしない自由」を訴えるデモが起こるたび、正直、私は不思議に思っていた。たかがマスクなのに、と。あんなに小さくて薄っぺらいものに拳をふりあげて断固拒否するほどの「不自由」がついてまわるのだろうかと疑問だった。 ノンフィクション本『戦争の歌がきこえる』は、そんな折、私に新しい視座を与えてくれた一冊だ。音楽療法士の著者が米国での体験を元に綴った本書の第一章にはこんな一文がある。〈言論の自由、報道の自由、集会の自

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森絵都さんが今月買った10冊の本は?

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