文藝春秋digital

俳句|岡田一実

峰巒 水音がひかりと見えて枯芒 水の面の落葉の層のほぐれくる 午後の日を鋭(と)き鳥ごゑや山眠る 餅搗の音に峰巒(ほうらん)のたたなづく 読初の文字の四角く組まれをり 寒禽の屢(しば)鳴く嘴の夥し 日脚伸ぶ手指を隈なく濡らす度

コロナ下で読んだ「わたしのベスト3」 新しい読書のしかた|梯久美子

昨年秋に移り住んだ札幌では新型コロナの感染拡大が一足早く始まり、長いステイホーム期間を過ごすことになった。これから取材するテーマに関する本など読むべきものはたくさんあったが、いざ時間ができると手が伸びない。何を読んでいたかと言うと、もっぱら旅行記である。 河口慧海『チベット旅行記…

詩 / 萩野なつみ【全文公開】

冬の底で どこまでも 眼をとじていた、とどかない胸に触れながら 親しく砕かれてゆく日々の 瞬きのたびに零れる音符 うなずけば 風が生まれて どの書物にもない母語のように しんしんとひかりつづける あなたの胸、あなたの窓、あなたの雪 【編集部よりお知らせ】 文藝春秋は、皆さんの投稿を募集…