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【全文公開】どんな未来になっても 角田光代さんの「わたしのベスト3」

【全文公開】どんな未来になっても 角田光代さんの「わたしのベスト3」

作家の角田光代さんが、令和に読み継ぎたい名著3冊を紹介します。  子どものころに第2次世界大戦を経験した開高健は、戦争とは何か、戦争を起こす人間とは何であるのかを、身をもって知ろうとした作家だと思う。『輝ける闇』でも『歩く影たち』でもいいのだけれど、『戦場の博物誌』を選んだのは、ここに「玉、砕ける」が収録されているからだ。  概念や論理ではなくて、生々しく具体的に、人間と戦争の姿を、ここにおさめられた作品は捉えていると私は思うのである。なんとなく、この先、開高健みたいな独

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