文藝春秋digital

どこかへ|角野栄子

文・角野栄子(作家) ここではないどこかへ行きたい――。ずっとそう思って生きてきたような気がする。80年あまりも。じゃ、どこへ行くの? それが決まってない。いつも「どこか」なのだ。でも、そこには何かがあるはず。それが見たい。「ここ」がすごく不満だというわけでもないのに、何故かいつも…

コロナ下で読んだ「わたしのベスト3」 本の中を旅する|原田マハ

新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、春先に発出された緊急事態宣言下における移動の自粛要請は、作家という肩書きでなければいっそ「旅人」と名乗りたいくらい旅好きの私にとっては痛恨であった。ならば本の中を旅しようと思い立ち、読書に勤しんだ。しかし私はこんな時に旅がテーマの本を選んだり…