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#本上まなみ

『文藝春秋digital』2022年6月ラインナップ

■会員限定イベント●6月8日(水) ・新庄剛志「薬物使用」の過去 抜き打ち検査で「陽性」も、詳細は伏せられ、その年に引退―― 鷲田康(ジャーナリスト)+本誌取材班 ●6月10日(金) ・プーチンが最も殺したい男の告白 M・ホドルコフスキー(オリガルヒ・石油会社「ユコス」元代表)「ウクライナ侵攻は彼の個人的な動機から始まった」 ・「性暴力」私は負けなかった 卜田素代香(仮名)「暴行後『証拠が残るからシャワーを』と男が強いてきました」 ・新連載 外事警察秘録②「日本赤軍との闘い

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「『人間』を考える」本上まなみ 今月買った本

「人間」を考える 『どうぶつ会議』は北アフリカのチャド湖のほとりで、ライオン、ゾウ、キリンの3頭が、進展なくもの別れに終わったという人間たちの会議のニュースに辟易する場面から始まります。戦争、革命、ストライキ……繰り返される愚行で、飢饉や貧困などがいつまでもなくならない。自分たちも巻き込まれ迷惑しているけれど、一番かわいそうなのは、こんな大人に育てられる人間の子どもたち。もう見過ごしてはおけないと、ゾウのオスカーが立ち上がり仲間に声を掛け始めます。 動物たちの、仲間や夫婦で

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本上まなみさんが今月買った10冊の本

雪山とガラパゴス諸島『新版 雪に生きる』は1943年刊行の新装復刊版。帯には〈日本スキーの草分けにして、山小屋のセルフビルド、靴下編みの発明まで何にでも知恵と工夫と情熱で挑んだ、猪谷六合雄の生活記録〉とあります。靴下編み? 不思議な文言に惹かれます。 23歳でスキーを始めた著者の初めてのスキー板は〈お風呂の中へ突っ込んだり、石油の空罐で茹でたりして〉自宅にあった板を曲げてこしらえたという自作! 冒頭から雪上を滑る楽しさに目覚め、仲間と出会い、スキージャンプに魅せられ…という

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100年後まで読み継ぎたい100冊 本上まなみ「ご都合主義なき児童書」

文・本上まなみ(俳優・エッセイスト) ご都合主義なき児童書『猫と庄造と二人のおんな』。元の妻と今の妻が夫・庄造を取り合う話で、その心理戦に利用されるのが庄造の溺愛する猫「リリー」。追い出された元妻が新妻に、愛されていると本当に信じてる? 違う。あの人は猫ばかりを見ているはずよ、なんて手紙を送るところから話が始まる。悪いこと言わへんから猫は私がもらったげる。新妻側は真に受けるもんかと思いつつも、見れば夫は確かに猫にデレデレ、次第に腹が立ってくる。庄造はマザコンのぼんぼん、こん

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本上まなみさんが今月買った10冊の本

非日常の世界探検冒険。非日常の世界を、家に籠もりきりの私は足踏みするほど渇望していました。数々の探検記を上梓する椎名誠氏は大の「漂流記マニア」だそうで、今作『漂流者は何を食べていたか』では14冊を取り上げ、その魅力を綴っています。 船底を破るクジラやシャチ、嵐による高波。強烈なアクシデントに見舞われながらどうして助かるの? とまずは彼らの強運に驚き、さらにトビウオ、シイラがボートに飛びこんでくる、ウミガメが寄ってくる、海鳥が羽根を休めにくるなど、一瞬のチャンスを確実に手中に

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本上まなみさんが今月買った10冊の本

大切な“日常” 『グレゴワールと老書店主』は老人介護施設で働く18歳の青年グレゴワールが主人公。入居者の元へ配膳をする仕事中、3000冊もの蔵書に囲まれて暮らす老書店主と出会います。 母子家庭育ち、読書の習慣などなかった青年は、視力の衰えで読書が叶わなくなったという店主の話を聞き、朗読役を買って出ることに。 著者は朗読家で、本書が作家デビュー作とのこと。朗読作品の選び方、聞き手との距離の置き方や、文学を声で表現する極意を、老書店主に豊かに語らせるのです。〈人前で本を読むの

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本上まなみさんが今月買った10冊の本

冬の楽しみ 『フジモトマサル傑作集』に、私はこの冬どれだけ楽しませてもらったことだろう。安全安心な自宅のソファで毛布にくるまり、どこに行かなくても、夜道を濡らす雨の匂いを嗅いだり、凪の海で小舟に揺られているような気持ちになれるのです。 漫画家、イラストレーターの故フジモトさんが描いたのは、ひょうひょうとしていて、どこかわがままそうで、ちょっととぼけた愛らしい動物たち。不思議なのはレッサーパンダも猫もウサギも、人間と対等にそこに「いる」こと。2羽のカラスがクロスのかかったテー

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コロナ下で読んだ「わたしのベスト3」 今後の「生き方」を考える|本上まなみ

コロナ禍で手に取った本は、人生、生き方について書かれているものが多かった印象があります。 『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』。国によって対応の仕方も千差万別だった第1波。国内状況と比較するため海外の情報を知りたくてネットで調べるうちに、著者のサイトに。ロックダウン下のパリで高校生の息子との生活を綴った日記。緊迫した日々の生活描写と、客観的に日本を見つめる視点が新鮮で、自粛期間中の心の支えになっていました。無心に豚まんの生地を捏ね、蒸したてを息子に食べさせ

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【全文公開】笑い、感動、ぞくり 本上まなみさんの「わたしのベスト3」

女優・エッセイストの本上まなみさんが、令和に読み継ぎたい名著3冊を紹介します。  笑える本、感動する本、怖い本の3冊を紹介します。 『太陽の塔』は京都の冴えない男子大学生の日常がこれでもか! と詰め込まれた愛すべき小説。名言は多数、〈我々の存在によって発生する経済効果は、冬眠熊の経済効果とほぼ等しい〉、〈我々の日常の90パーセントは、頭の中で起こっている〉、〈大学生が赤ん坊の次によく眠る人種であることは言うまでもない〉等々。女性と絶望的に縁がない主人公は、初めてできた彼女

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本上まなみさんが今月買った10冊の本は?

寛容な空気の中で 『仲野教授のそろそろ大阪の話をしよう』はヒョウ柄に金の箔押し(題名めちゃ読みにくい)、書店でもダントツの濃ゆーい目立ち方をしていました。そう、近鉄の「いてまえ打線」って感じ。「やっちまえ」みたいな意味ですけどね、いいね。カバーを取ると本体はゼブラ柄だし、中身は濃い人ばっかり出てくるぎゅっと詰まった336ページ。大阪文化への愛溢れる、どこから読んでも惜しみなく笑わせてくれる対談集です。  対談相手の1人、3歳からおばちゃんだったという「全日本おばちゃん党」の

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