文藝春秋digital

フランスのジェンダー・ギャップ|雨宮塔子

フランスのジェンダー・ギャップ|雨宮塔子

文・雨宮塔子(フリーキャスター) 先日、息子の生活指導の先生に会ってきた。息子はフランスの高校1年生。遅刻することが多く、点呼に間に合わないので欠席扱いになったり、先生によっては遅刻者は教室にさえ入れてもらえないため、必然的に欠席となる。届けのない欠席日数が多すぎると、面談の要請があったのだ。 息子の欠席扱いは、とくに昨年の12月に集中していた。私が年末の報道番組に出演するため、1カ月近く単身帰国していた時期だ。年末恒例のこの番組は6時間半に亘る生放送なのだけれど、事前に

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「女性」総長退任の辞|田中優子

「女性」総長退任の辞|田中優子

文・田中優子(法政大学前総長) この3月末日で法政大学総長(学長と理事長を兼務する仕事)の任期が終わった。総長に就任したのは2014年4月である。就任前からさまざまな取材があり、入学式も雑誌に取り上げられた。その理由は「東京六大学で初の女性総長」だからである。 今回、この巻頭随筆に誘っていただいた時も、「東京六大学では初の女性総長ということで」と書いて下さったのだが、そう言えばこの7年、東京六大学で2番目、3番目の女性総長は出現していない。ジェンダーギャップはあまり変わっ

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ルポ・東大女子のそれから 彼女たちが体感した「東大男子」と「男社会」の壁

ルポ・東大女子のそれから 彼女たちが体感した「東大男子」と「男社会」の壁

東大に女子が入学して75年。華麗な経歴の陰に隠された葛藤とは——。文藝春秋digitalの連載をもとに文藝春秋本誌に掲載されたルポルタージュ。/文・秋山千佳(ジャーナリスト) <記事に登場する人> 山口真由さん 赤松良子さん 栗崎由子さん 中野信子さん 豊田真由子さん 三輪記子さん あられさん(仮名) 宮下里美さん(仮名) 北村紗衣さん 藤田優さん 女性の価値と成績のよさ 「私、ここまで追いつめられていたんだなと思って……」 華やかなサテン地のブラウスをまとった女性の

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ほんの小さな思い遣り|塩野七生「日本人へ」

ほんの小さな思い遣り|塩野七生「日本人へ」

文・塩野七生(作家・在イタリア) アメリカ合衆国の大統領に決まったバイデン下の主要官庁のトップには、軒並みという感じで女たちが登用されるらしい。だがヨーロッパでは、EU政府の首相、ヨーロッパ中央銀行の長、この時期の当番国であるドイツの首相と、すでに3人ともが女で占められているのだ。 こうなってはわれわれ女も、男女差別があったからこその不利などという、盾の向うに逃げこむことも許されなくなった。チャンスは与えられたのだ。それを活用できるか否か、のみが問われる時代に、決定的に入

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楽しきフェミニズムはいかが?|塩野七生「日本人へ」

楽しきフェミニズムはいかが?|塩野七生「日本人へ」

文・塩野七生(作家・在イタリア) 私はこれでも女だから、日本で言われている女性活躍推進には大賛成だが、安倍内閣では党約にもなっていたにもかかわらず、この素晴らしい考えは明らかな成果にはつながらないままで先細りになりそう。なぜか。 答えは簡単で、既得権者たち、つまり男たちが積極的にならないからだが、改革に反対するのは既得権者であること、古今東西変らない真実でもある。それにテキは、はっきりと反対したのでは守旧派と見られるのを怖れてか、ズルイ手まで使う。 一昔前、大新聞の社長

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帰るとこがない|伊藤比呂美

帰るとこがない|伊藤比呂美

文・伊藤比呂美(詩人) 早稲田大学で300人規模の大教室を2つ、40〜50人の演習を2つ教えている。3年契約なので2年やってヤレヤレあと1年と思っていたら、今期中はオンラインになった。それであたふたしているが、結論から言おう。ものすごくおもしろいのである。 私はZoomのリアルタイムでやっている。小規模教室では、顔も見え、発言もできるミーティングという機能を使うが、大教室では、視聴者の姿は見えないウェビナーという機能を使う。チャットやQ&Aを使うと学生は信じられない早さで

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