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【石原慎太郎・特別寄稿】晩節における「死」との対峙

【石原慎太郎・特別寄稿】晩節における「死」との対峙

——『老衰は死の育成である』ジャンケレビッチ——。米寿を迎えた今、私は「死」という「最後の未知」と向き合うことにした。 <summary> ▶私は人間の人生の平均値なるものをあずかり知らぬが、相対的にはかなりの波乱続きだった我が人生の終局に、肉体の衰弱に伴ってのさまざまな未練がかもしだされる晩節のふがいない有様に戸惑っている ▶私は政治家を勤めた事で命の危うさを感じたことはなかった。政治という猥雑な作業は人間の個性を摩滅させはしても死を予感させる肉体的な危機感をもたらすこと

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「割腹自殺」から50年…三島由紀夫の「滑稽な肉体信仰」|石原慎太郎・特別寄稿

「割腹自殺」から50年…三島由紀夫の「滑稽な肉体信仰」|石原慎太郎・特別寄稿

鍛え上げた身体も、兵隊ごっこもナルシズムだった——。/文・石原慎太郎(作家) <この記事のポイント> ●あの事件自体は、馬鹿馬鹿しいとしか言いようがない ●三島さんはどんどんおかしくなっていった。川端康成、大岡昇平…みんなが「見損なった」という思いを持ち始めていた ●鍛え上げた身体も、楯の会も、一種のナルシズムでしかなかった。三島さんもそれをわかっていたと思う 石原氏 川端さんはあの日からおかしくなった あの日、三島さんの首を見なくて本当に良かったと思い返しています。

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予期せぬ出来事─私の闘癌記─|作家・石原慎太郎 特別寄稿

予期せぬ出来事─私の闘癌記─|作家・石原慎太郎 特別寄稿

作家で元東京都知事の石原慎太郎氏(87)が、“難治がん”のすい臓がんから奇跡の生還を果たしていた。そんな石原氏が、『文藝春秋』に闘病の様子などを綴った手記を寄せた。これは、地獄の底から予期せず這い上がった男の国への最後の建言である──。/文・石原慎太郎(作家) 石原氏 芥川賞で有名になった訳ではない 振り返って見れば私の人生は予期せぬ出来事の連続だった。 学生時代に復刊させたかつての『一橋文芸』の原稿がいざとなるとどうしても足りずにその穴埋めを頼まれて書いた小説が文學

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