「尖閣“日中激突の海”を見た」1月、調査船の行く手に現れた中国海警船 山田吉彦
調査船の行く手に現れた中国海警船。それを阻む海保巡視船との息詰まる攻防。/文・山田吉彦(東海大学海洋学部教授)
中国海警局が待ち伏せ
1月31日午前4時30分。この日は月明りもなく、調査船の船橋は漆黒の世界だった。石垣島の名蔵湾を出航してから、すでに10時間が経っていた。北北西からの向かい風が強く吹く。船首は波と風を真正面から受け、時折、盛り上がった波が船橋の窓を覆った。船はピッチングの上下動が激しく、普段は船酔いすることのない筆者も酔い止めの薬を飲むほどだった。
この調