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同級生交歓「巣鴨中学・高等学校 平成8年卒」

人の一生を左右するのは校風か、学歴か、友人か。意外な組み合わせ、納得の顔ぶれが並ぶ“誌上同窓会”。「文藝春秋」の名物グラビア企画です。

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東京都豊島区 巣鴨中学校・高等学校にて(撮影・榎本麻美)

(右から)
東京都中央区議会議員
田中耕太郎
大阪公立大学法学部教授
手塚洋輔
東京大学医学部附属病院AYA世代センター長
池亀天平

硬教育という名の努力主義を掲げる我らが巣鴨学園。世間ではお堅いイメージを持たれる事も多い母校だが、何事にも真っ直ぐ無骨な姿勢を有しながら、どこか憎めない愛嬌あるキャラクターの同窓が多く、フーテンの寅さんこと国民栄誉賞俳優である故・渥美清が先輩として籍を置いていた事も偶然ではない気がしてならない。

ちなみに我々のポーズは、学園オリジナル「巣園体操」の名物(!?)『天突き体操』である。雀百まで踊り忘れずか……。

洋輔と天平の出会いは板橋区立高島第三小学校まで遡る。風変わりで飄々とした性格の洋輔と温厚堅実な天平の名コンビは、小中高12年間の同窓時代を超えて今なお続く。

洋輔は鉄道や旅行に造詣が深く、不思議な行動力と分析力が昔からあった。高校在学中、阪神・淡路大震災が発生した際に、単身で神戸へボランティアに出かけた行動力は今でも鮮明な記憶だ。

天平は生徒と教師双方からの信頼が厚く、在学中は体育委員総務、体育祭の実行委員長として、学生服を着て全校生徒の前でエールを切っていた姿が眩しかった。

かくいう私は優秀な同期らに囲まれた安心感にかまけて勉学に力が入らず、大人気漫画スラムダンク世代のバスケ班(部)員として体力だけは充分養い、学園の名物行事である大菩薩峠越え強歩大会(夜間登山)では、文字通り不眠不休で峠を駆け抜け、学年1位となった事が数少ない中高時代の誇りだろうか。

進学、就職後も我々の親交は一層深まり、研究者、医師、政治家の端くれとして、現在も公私ともに様々な角度からの意見交換や思い出話が尽きる事はない。今回の寄稿に際して、我々3人の経歴では小物過ぎるのでは? という懸念は禁じ得ないが、今後が期待される有能な同期も多数いる事から、許されるならば人生2度目の「同級生交歓」を夢みて精進したい。(田中)

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