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【イベント開催レポート】脳科学と認知症~長寿時代を幸せに生きる秘訣とお金の管理

去る9月29日、文藝春秋では、三菱UFJ信託銀行協賛の下、「脳科学と認知症~長寿時代を幸せに生きる秘訣とお金の管理~認知症セミナー」をオンラインで開催した。2025年には、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると見込まれる。この推論は、二宮利治九州大学教授らの研究によるもの。今は、誰もが認知症に対する不安を抱える時代だ。その悩みの解決策を茂木健一郎さんとともに考える、有意義なオンラインイベントとなった。

楽観的に、でも準備は大切

第1部は、茂木さんによる基調講演「『生きがい』の本質」。

認知症に関し、「私だけは大丈夫だ」という考えは禁物。楽観的に生きることは大事だが、いざという時の準備は必須だという。

脳を若く保つ秘訣は、新しいことにチャレンジすること。そのよき見本として茂木さんは、80歳を超えてさまざまなジャンルに挑戦する棋士の加藤一二三氏の名を挙げた。

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茂木健一郎さん

現在、「生きがい」という日本語は国際語と化している。世界の長寿地域調査録『ブルーゾーン』の著書であるダン・ビュイトナー氏は、沖縄で「Ikigai」なる言葉を知り、これは世界に類例のない単語だと驚いたのだ。

茂木さんは、『The Little Book of Ikigai』という英文の著書を、2017年にロンドンの出版社から刊行した。現在、この本は29言語のヴァージョンが31カ国において発売されている。

「生きがい」の発見が世界に衝撃を与えた理由は、小さな喜びを重視する姿勢が新鮮だったから。それは例えば、ビジネス上の大きな成功だけではなく、身近な人を笑顔にすることにも価値を見出すあり方だ。

「生きがい」はドーパミンの放出を促し、シナプス結合を強化する。つまり、脳のアンチエイジングに寄与するのだ。

子どもの発達の研究において興味深い知見がある。それは、子どもが次々と新たな挑戦に踏み出せるのは、Secure Bass=安全基地があるためだという概念。 両親や祖父母といった家族がいるからこそ、子どもは安心して冒険に踏み出せる。

この概念は、大人にも通用する。やはり、きちんと見守られていれば、何歳になろうと、未知の物事に挑むことができるのだ。

ただし、高齢化や少子化が進んだ現在、家族だけで認知症のケアを全うすることは難しい。

積極的に専門家の力を借りそのサービスを活用することで、安全基地は確保される。そして、認知症当事者もその家族も幸せになる。茂木さんはそう結んだ。

認知症とお金の問題

第2部は、茂木さんと三菱UFJ信託銀行リテール企画推進部の櫨原(はぜはら)大輔さんによる特別対談「脳科学と認知症~長寿時代を幸せに生きる秘訣とお金の管理」。

認知症に関し、茂木さんからは「脳科学の視点からの対策」、櫨原さんからは「資産管理の視点からの対策」が語られた。

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櫨原大輔さん(三菱UFJ信託銀行リテール企画推進部)

認知症とお金をめぐる問題といえば、こんな悩みをしばしば見聞する。認知症などで本人の意思確認ができなくなると、銀行口座が凍結されてしまい、お金を下ろすことが不可能になる事態が生じるというのだ。

その問題を解決する金融商品として、ここで紹介されたのが、三菱UFJ信託銀行の「代理出金機能付信託 つかえて安心」。

2年前に発売されたこの商品は、2019年日経優秀製品・サービス賞最優秀賞(日経ヴェリタス賞)を受賞するなど、業界の内外から熱い注目を浴びている。

「つかえて安心」においては、万が一認知症になっても、今まで通りに自分らしくお金を使い続けるための画期的な仕組みが構築されている。その特徴は以下の通り。

自分の代わりにお金を引き出せる「代理人」の設定が可能。「みまもり機能」で口座の様子を家族で共有することができるから安心。そして、スマートフォンでいつでもどこでも引き出し手続きができて便利。

このために開発されたアプリはとても便利。お金を下ろしたい時は、必要な情報を入力し、領収書を撮影するだけで、簡単に請求を行うことができるのだ。それを代理人以外の家族などの登録者が閲覧することができるから、透明性が高く、安全性も担保される。

さらに、使途を限定せずにお金を引き出すことが可能というところも従来にない利点だ。

銀行からの出金というとまとまった大きな金額をイメージしがちだが、例えば数十円、数百円といった少額であろうと引き出すことができる。実際、利用額の多くは3,000円未満なのだそう。

この商品では、契約者が認知症になってから代理人の権限が発動するわけではない。契約の時点から代理人が資金管理の手伝いをすることができる。つまり、認知症に限らず、入院や体調不良の場合でも有用となる。

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「つかえて安心」のおかげで家族みんなが安心できれば、高齢者が新しいことに挑戦できる。そして、それによって脳を若く保つことが、最良の認知症対策となる。茂木さんは、この商品についてそう評価した。

「つかえて安心」の活用は、新たな「生きがい」の発見の一助にもなってくれそうだ。

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