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数字の科学 最大のウイルスのサイズ|佐藤健太郎

サイエンスライターの佐藤健太郎氏が世の中に存在する様々な「数字」のヒミツを分析します。

最大のウイルスのサイズ=2500ナノメートル

全世界の新型コロナウイルス感染者数は、本稿執筆時点で1億2000万人を突破した。実際の感染者数は、その数倍と見積もられる。ウイルスは、わずか1年少々でその数を数億倍にも増やしたのだから、実に恐るべき物体という他ない。

「物体」と書いたのは、細菌とは違い、ウイルスは生物ではないと考えられているからだ。だが、どちらも目に見えないほど小さいし、同じように体内で増殖して病気を引き起こす。なのに、なぜウイルスだけが非生命とされるのだろうか。

大きな理由は、ウイルスが単独では増殖できないことだ。細菌は外部から栄養源を取り込み、そのエネルギーを使って自力で増殖することができる。これに対しウイルスは、他の生物の細胞に入り込んでそのシステムを乗っ取り、自分のコピーを作らせることしかできない。

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