山口百恵・森昌子・桜田淳子「母としての中三トリオ」
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山口百恵・森昌子・桜田淳子「母としての中三トリオ」

1月30日、山口百恵さんの特集番組「伝説のコンサート“山口百恵 1980.10.5 日本武道館”」がNHK総合で再放送される。人気絶頂の中での芸能界引退から40年。昨年、「三浦百惠」名義で出版した39年ぶりの自著であるキルト作品集『時間(とき)の花束 Bouquet du temps[幸せな出逢いに包まれて]』(日本ヴォーグ社)には発売前から予約が殺到し、大きな話題を呼んだ。

「花の中三トリオ」と呼ばれ人気を博した山口百恵、森昌子、桜田淳子。彼女たちは、それぞれどんな人生を歩み、還暦を迎えたのだろうか。(取材・文/中村竜太郎=ジャーナリスト)

出典:「文藝春秋」2012年2月号 ※年齢・肩書などは取材当時のまま

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 俳優・三浦友和と結婚し、人気絶頂期に芸能界を引退、永遠のカリスマとなった百恵は、その後もマスコミに追われ続けた。84年に長男・三浦祐太朗(27)、翌年に次男・貴大(26)を出産。しかし子どもたちの成長にあわせて報道は過熱し、怒った百恵が長男の入園式に押しかけたカメラマンに対してビンタをした事件もあった。百恵番の女性誌記者が語る。

「デビューするまでの百恵の生い立ちは、彼女の著書『蒼い時』にも書かれているように、父親不在の複雑な環境で、経済的にも恵まれていなかった。彼女は芸能活動することで、母親と妹の面倒をみてきた。そして彼女がもっとも夢見ていたのは、普通の家庭を持つこと。そのためにスターの座を潔く捨て、愛する夫のために尽くすことを選んだのです」

 いまなお芸能界では百恵の復帰が待ち望まれているが、「普通の主婦でありたい」という彼女の信念は揺るぎないようだ。最近出版された友和の自伝的著書『相性』(小学館刊)では、こう綴られている。

《妻の強さに救われました。そんな状況にあったのに、愚痴ひとつこぼさない。そればかりか、私のことを大変だろうと気遣ってくれているのが、伝わってくる》

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 マスコミという敵と戦う同志でもあったという夫婦は、喧嘩をしたことがないという。長男は大学を卒業後、金融会社に就職するが退職し、「Peaky SALT」というロックバンドで08年にデビュー。次男は順天堂大学を卒業後、父と同じ役者でデビュー。映画『RAILWAYS』やCM『リポビタンD』などで注目された。

「勘がいい彼女は、子どもたちの才能を冷静に見極めている」
 前出・女性誌記者が語る。

「長男は親の言うことを従順に守る甘えん坊タイプで、次男は独立心があって個性が強い子。百恵は子どもたちが芸能界入りする時も、その厳しさをわかっているからこそ、あえて突き放しています。子どもたちの相談相手はもっぱら父親で、彼女は『あなたたちが好きでしていることでしょう。自分たちで頑張りなさい』と励ましています。勘がいい彼女は、子どもたちの才能を冷静に見極めているはずです。自分は目立たないようにして、しっかりフォローしている。子どもたちがお世話になっている人に挨拶は欠かしませんし、将来を真剣に考えている。母親としての愛情の深さを感じます。家族のコミュニケーションは百恵が中心に回っていて、一緒にバーベキューをしたり、全員でカラオケや楽器演奏をしたりして、とても仲がいい」

 子育てを終えたという百恵は、現在夫婦水入らずの生活を楽しんでいるという。

「彼女はSF映画とホラー映画が好きで、友和と一緒に新宿や六本木の映画館に行っています」(同前)

 86年に歌手・森進一と結婚し、芸能界を引退した昌子は、長男(23)、次男(22)、三男(17)をもうけるが、05年に泥沼離婚に。夫が歌手復帰を要求し、主婦業との両立が負担になったことが原因だったというが、離婚後の本格的歌手復帰を後押ししてくれたのは、「お母さんの歌が聞いてみたい」という子どもたちの声だったという。

 昌子の友人が語る。

「長男はジャニーズの『NEWS』のメンバーでしたが、未成年で飲酒・喫煙したことが発覚し、表向きは学業専念のためという理由で脱退しました。高校中退後、ロックバンド『ONE OK ROCK』のボーカル・Takaとして活躍し、日本武道館でライブをするなど成功しています。慶應ボーイの次男は大学の落語研究会に入っていて、かなりの人気者みたいですね。三男に、昌子は特に目をかけていて、彼が多感な時期に家庭のゴタゴタがあったことで、子育てに悩んでいました。昌子は当時、お酒に溺れるような時もありました」

 更年期障害と貧血に悩まされ、子宮全摘出手術をしたことを世間に告白した昌子だが、そんな彼女の姿を見て育った子どもたちは、母親に対してとても優しいのだという。

 92年、統一教会の合同結婚式で会社経営者、東伸行氏と結婚した淳子は、長男(17)、長女(15)、次女(13)の子育てに奮闘していた。淳子は93年の映画出演以来、芸能活動から遠ざかっている。04年に兵庫県から都内に引っ越し、株のデイトレーダーで生計を立てている夫をサポートしている。

 ワイドショーデスクが語る。

「子どもの教育環境を整えるために上京したそうです。淳子の娘たちは若い頃の彼女にそっくりの美人で、芸能界デビューしてもおかしくない。淳子が統一教会を脱会すれば芸能界復帰も可能でしょうが、いまだに広告塔ですからおそらく無理でしょう」

 秋田に住む淳子の実母が語る。

「淳子の子どもはみんな優しくておとなしい、いい子ですよ。最近はずっと会ってないけれど、電話をくれると、代わる代わる『おばあちゃん、元気ですか』と声をかけてくれます」

 三人の少女はそれぞれの道を歩み、いまはすっかり母親の顔になったようだ。

(「文藝春秋」2012年2月号)

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