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本郷恵子さんの「今月の必読書」…『恋する日本史』

内親王の「悩ましい恋」は昔から!?

「日本史」に「恋する」を冠するとは穏やかでない。わくわくしたり、切なかったりするだけでなく、悩み、こじらせ、恨むなど、恋は複雑だ。「愛は地球を救う」かもしれないが、恋は歴史を変えるだろうか?

日本史分野の老舗学術誌である『日本歴史』は、2020年の1月号に「恋する日本史」という特集企画を掲載した。この成果を学界・会員だけでなく、ひろく社会に発信しようという趣旨で編まれたのが、本書『恋する日本史』である。書籍化にあたっては、新たに執筆者を加えたほか、史料を現代語訳するなど、一般読者に親しんでもらえるよう配慮を尽くした。古代から現代にいたるまで、1300年以上にわたる恋愛の諸相が、22人の歴史研究者によって描かれる。

律令国家においては、官人の勤務評定が厳密に行われていた。恋心を募らせた古代のサラリーマンは、「万葉集」の中で次のように詠む。「この頃のわが恋力記し集め功に申さば五位の冠」。近ごろの私の「恋力」を功績として認めてもらえたら、昇進は間違いないのにというわけだ(大谷歩「万葉びとの『恋力』」)。恋い慕われている女性の方は、そんなことよりしっかり働いてもらいたいと思うかもしれないが。

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