日本語探偵

飯間浩明の日本語探偵【ど】読書委員として思う どんな本もきっと面白い

国語辞典編纂者の飯間浩明さんが“日本語のフシギ”を解き明かしていくコラムです。

【ど】読書委員として思う どんな本もきっと面白い

 2020年から2年間の約束で、読売新聞の読書委員を仰せつかりました。国語辞典の編纂に携わっているので、それなりに本は読めるだろう、と担当者に思われたのかもしれません。すでに2冊について書評を書いたところです。

 私は速読ができるタイプではありません。むしろ、1冊の本を1週間ほども抱え込んで、じっくり読みます。私が本を読む第1の目的は、辞書に載せることばや用法を拾うことだからです。

 なるべく普段読まない種類の本を開いて、自分の知らない多くのことばと出合う。これが私には無上の楽しみです。こういう読み方をする人間にとっては、読書委員として、定期的に思いがけない本に遭遇し、書評を書くという環境は、まことに願ったりかなったりです。

 読書委員は、2週に1回、東京本社に集まって、書評本を選定する委員会を開きます。会議室には、数か月以内に出版された選りすぐりの本が並べられます。委員はそれぞれ、興味を引かれた本を選び取り、「この本はこういう内容らしいので、自分が書評を書きたい」などと自薦のことばを述べます。「なんとなく書評してみようか」ではすまない厳粛さが委員会にはあります。

ここから先は、有料コンテンツになります。記事を単品で購入するよりも、月額900円の定期購読マガジン「文藝春秋digital<シェアしたくなる教養メディア>」の方がおトクです。今後、定期購読していただいた方限定のイベントなども予定しています。

★2020年3月号(2月配信)記事の目次はこちら

続きをみるには

残り 689字
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju

文藝春秋digital

¥900 / 月

月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…

「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了しました。今後は「文藝春秋 電子版」https://bunshun.jp/bungeishunju をご利用ください