池波正太郎 リタイア後の男の理想 鶴松房治 100周年記念企画「100年の100人」
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池波正太郎 リタイア後の男の理想 鶴松房治 100周年記念企画「100年の100人」

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『鬼平犯科帳』をはじめ数多くの人気作品を生み出した池波正太郎(1923~1990)。15年間、私的アシスタントを務めた鶴松房治氏が、人間性と作品の魅力を語る。/文・鶴松房治(池波正太郎記念文庫指導員)

池波正太郎は常に創造している人でした。そして、いかに読者に楽しく読んでもらうかを考えていました。よく「なんか面白いことないかい?」と言われましたよ。

池波さんの作品は、読む人の立場や考え方によって、それぞれに解釈できますが、それがありがたいと池波さんは言っていました。池波さんはいつも「自分は作家という職人だ」と言い、“名作は残さなくてもいいが駄作を出してはいけない”と肝に銘じていたようです。これは生まれ育った浅草や、錺(かざり)職人だった祖父の影響が大きかったと思います。

池波さんは、生粋の東京下町っ子の性格でした。まず、気が短い。だけど非常に律儀で用意周到。とにかく時間に正確で、生涯で一度も原稿が遅れたことはありませんでした。

お酒は1日2合までと決め、銀座に飲みに行った後でも必ず帰宅後に原稿を書く。月に500枚もの原稿を書いていた時でも、締め切りの1週間前から遅くても3日前には原稿ができていました。鬼平は文春、梅安は講談社、剣客商売は新潮……と出版社ごとに人気作品をふりわけて書いていたあたりも、大した作家だなと思います。

池波正太郎

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