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名品探訪「不朽のジュエリー」

豊かな創造性と優れた職人技で揺るぎない地位を確立したアイコンジュエリー。人の心を動かし、虜にする魔法を秘める。/文=土橋育子、写真=赤尾昌則(ホワイトスタウト)、スタイリスト=伊藤美佐季

※文中のYG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、RG=ローズゴールド、PG=ピンクゴールド、Pt=プラチナを表します

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Cartier(カルティエ) 《Panthère de Cartier》
1914年に誕生し、メゾンを象徴するモチーフとして君臨する「パンテール」。1948年にはクリエイティブディレクターのジャンヌ・トゥーサンが躍動感溢れる姿へと昇華させた。現代はスリムで端正な表情に。時代とともに歩む永遠のアイコンだ。「パンテール ドゥ カルティエ ブレスレット」YG×ツァボライトガーネット×オニキス×ブラックラッカー ¥2,719,200/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター☎0120-301-757)

このメゾンに、このジュエリー。 代名詞のような煌めく存在

ファッションは変わりゆくのが常。昨今はファストファッションが流行りスピードは増すばかりだが、変わらずに存在し続ける逸品がある。それが今回の“アイコンジュエリー”だ。

アイコンジュエリーとは何か? それは世界で名だたるハイジュエリーのメゾンから、その魂となる伝統、哲学、そして夢を具現化したデザインやモチーフが使われたジュエリーを指す。発表されて幅広い層に支持されると、指輪や時計など多彩なアイテムを展開。ブランドの象徴としてコレクションやシリーズ化されてきた。かつてアイコンジュエリーとして誕生しながら定着しなかったものもある。違いは、確固たるスタイルが確立されているか否かだ。時代の空気を取り入れながら普遍美を湛えてきたアートピースのような存在。選んで身につければ、あなたにも自ずとスタイルが宿る。

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Chanel(シャネル) 《Comète Collection》
大恐慌の1932年、ダイヤモンド商業組合から市場復興の起爆剤として依頼され、オートクチュールの創始者として初めてハイジュエリーコレクションを発表したマドモアゼル シャネル。モチーフに「コメット(彗星)」を選んだ。彼女が幼少期に過ごした孤児院のモザイクタイルから着想を得た。大胆な彗星のリング「コメット コレクション」WG×ダイヤモンド ¥2,079,000/シャネル(シャネル カスタマーケア☎0120-525-519)

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1932年に初登場のコメットがこちら。90周年の今年は新作も
©ADAGP, Paris 2021/Robert Bresson

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