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父と三人兄妹|千住博

著名人が父親との思い出を回顧します。今回の語り手は、千住博さん(画家)です。

私が10代の頃、毎年正月になると、自宅には父の弟子たちが何十人と集まり、新年会が開催されました。父はその時、普段家では見せないような笑顔で楽しそうに大声で笑ったり、交わされる話に熱心に深夜まで耳を傾けていたものです。

父は「経済性工学」という分野を生み出した経営学者でした。日本の大企業を国際的な存在に押し上げたのは、父のこの損得勘定で物事を冷静に図る理論によるところが少なくないはずです。1960年代にはアメリカの大学に教授で招かれ、父が世界で受賞した賞は私たち三兄妹が頂いた賞を全て足した数より遥かに多く、国連からはアジアの途上国の生産性向上の指導を任された存在でした。

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