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小佐野彈 奇跡の温泉 にっぽん遺産 第1回 

世界屈指の火山列島であり、そのために災害を被る日本。しかし、火山が生み出す温泉は「古来、この国に多様な恩恵をもたらしてきた」と歌人で小説家、実業家の小佐野彈氏は語る。
温泉文化に通じ、温泉ソムリエの資格も持つ小佐野氏より指南を受け、力に富む湯を巡る。
取材=上保雅美 写真=工藤憲二、山口規子

四万温泉「積善館」の「元禄の湯」。国の有形文化財に登録

世界で類まれな総合力の高い名湯がある(文・小佐野彈)

 日本列島は地震と火山のメッカであるプレート境界上にある。地震や噴火といった災害が多い国の暮らしは厳しいが、いいこともある。火山性の土壌は地熱と相まって肥えやすく、農耕に最適だ。粒が細かい火山灰で濾過された川の水は淀むことなく海へと注ぎ、豊饒な海の幸を育む。しかし、地震大国・火山大国での暮らしにおける最上の恵みは「温泉」だろう。

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