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佐藤優 6年ぶりの新作に見る強靱な思考力『街とその不確かな壁』村上春樹 ベストセラーで読む日本の近現代史

 日本人の本離れが深刻と言われて久しくなるが、村上春樹氏に関してはあてはまらない。村上氏の新作が出るたびに大きな話題になる。

〈作家、村上春樹さんの6年ぶりとなる書き下ろし長編「街とその不確かな壁」(新潮社)が(4月)13日、発売された。東京都新宿区の紀伊国屋書店新宿本店では、日付が変わる午前0時に販売を開始した。/待ち望んだファンらはカウントダウンと拍手で発売の瞬間を迎えた。店のシャッターが開くと、円卓に積み上げられた新刊の山が登場。事前予約を済ませた約60人が列をつくり、待望の新作を次々と手に取った。/一番乗りしたのは東京都内の玩具メーカー勤務、片山裕士さん(54)。「誰よりも早く読みたくて。玉手箱を開けるような感じです」と期待をにじませた。学生時代からのファンだという飛田陽海(はるみ)さん(40)は、神奈川県から駆けつけた。「コロナ禍のなかで村上さんが紡いだメッセージが、この書籍からわかればいいな」。漫画喫茶で朝まで読むつもりだという〉(4月13日「朝日新聞」夕刊)

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