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正岡子規 よもだのエネルギー球

34年の生涯で俳句や短歌を革新した正岡子規(1867〜1902)。俳人の夏井いつき氏が思う、俳句にとどまらない子規の魅力とは。

正岡子規 ©時事通信社

 正岡子規というと、横顔の写真が浮かんでくる人も多いだろう。写真が貴重であった時代に、横を向いて撮るなんてのは、よっぽどのヘソまがりに違いあるまい、と思う。

夏井いつき氏 ©後藤さくら

 子規が生まれたのは愛媛県松山。松山市立子規記念博物館名誉館長であった故天野祐吉さんが、松山の方言「よもだ」こそが、まさに子規の気質だと話されていたのを思い出す。天野さんは、子規の持つ反骨精神と、肩ひじ張らずユーモアで生きようとする精神を評価されていた。

 そういえば、「子規」の名も、血を吐くまで啼くホトトギスの漢名だ。喀血した自身を、飄々とホトトギスに例えるなんぞは、子規の精神の明るさそのものだろう。

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