
染野太朗「恋は静止画」 短歌

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渡るとき生きもののよう歩道橋すこし震えているのがわかる
もう晴れてきた西のほう この秋もきみは筋トレしてるだろうか
下倉楽器(シモクラ)にしばし見上げつ秋光(しゅうこう)をはじいて白きテレキャスターを
きみでなくぼくを信じていなかった ELLEGARDEN〈虹〉の爆音
コーヒーの湯気たちまちにほどけゆくスタバの隅のカウンター席
筋トレをきみに教わりいちねんで一〇キロ増えたぼくのからだは
落日にまなこ焼かれてつむれどもなおも焼かれて 恋は静止画
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