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大相撲新風録 御嶽海|佐藤祥子

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大相撲新風録_御嶽海

御嶽海みたけうみ(長野県木曽郡上松町出身、出羽海部屋、29歳)

ようやく目覚めた“万年候補”が昇進

2022年幕開けの初場所で3度目の優勝を果たし、大関昇進を決めた御嶽海。2回の優勝経験がありながら三役在位期間を更新し続け、「万年大関候補」とまで言われていた御嶽海が、目覚めた。

2015年3月、東洋大学時代に学生横綱、アマ横綱など15のタイトルを奪取し、幕下十枚目格付出しで初土俵を踏んだ逸材だった。突き押しと類稀れな相撲センスを武器に同年7月に新十両、11月には新入幕、翌11月には新三役と、トントン拍子に出世する。その一方で、周囲の期待が大きいぶん、師匠はじめ出羽海一門の親方衆から、口々に苦言を呈されてもいた。「稽古嫌いでまったく積極性が見えない」「実力はあるのにもったいない。稽古さえすればすぐに大関なのに。目指す気はあるのか?」と周囲は半ば呆れ気味にため息をついていたものだ。それでも御嶽海には、確固たる持論があった。

「稽古場でやったことが本場所の土俵に出るんだ、と言うけれど、その逆の力士だっている。今の自分は稽古だけじゃないと思う」

相撲界には「3年先の稽古」という言葉がある。今現在の努力が3年先に実るという意味だが、御嶽海はこう考える。

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