見出し画像

季節の風をそっと届けたい 至福の贈り物 第12回

文・髙樹のぶ子(作家)

最近の私の小説は、在原業平や小野小町を題材にしており、古典に親しむ日々を送っています。

数年前に小倉山荘さんの「をぐら山春秋」に出会い、小説の取材先にお礼として贈るようになりました。一つの小袋に8種類のあられが入っていて、桜、紅葉、初霜など、四季を表現しています。目にも楽しいし、季節の風がそっと吹き込んでくるよう。袋の中のトレイには百人一首の歌が印刷されていて、それを読むのも楽しみです。

私が贈り物で重視するのは、押しつけがましくないかどうか。豪勢な食品は華やかではありますが、相手にプレッシャーを与えがちです。あられなら保存がきくのですぐに食べなくてもいいし、小分けになっているので他の人にお裾分けも出来る。相手の立場にたって、思いやる姿勢が大切なのだと思います。

“日本文化への姿勢が素敵です”

ここから先は

241字 / 1画像
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju

文藝春秋digital

¥900 / 月

月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…

「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了しました。今後は「文藝春秋 電子版」https://bunshun.jp/bungeishunju をご利用ください