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ジャニーズに仏教讃歌を|安永雄彦

文・安永雄彦(築地本願寺代表役員・宗務長)

創建から400年。いま、築地本願寺は大きく変わろうとしています。

私は企業でいえば代表取締役に当たりますが、元々三和銀行に21年間勤めていて、退職後はコンサルティング会社を経営するなど、仏教界から見れば“よそ者”です。ところが、50歳で僧籍を取得して、「お西さん」として親しまれる、京都の西本願寺を本山とする浄土真宗本願寺派とご縁をいただきました。2012年に宗派の常務委員に迎えられ、さらに、築地本願寺のいわば「社外取締役」に当たる評議員にも就任しました。

当初は築地本願寺の内情を知って驚きました。年々、参拝者数は減り、経常赤字が続いている。宗教法人も企業と同じ「コーポレーション」ですから、このまま赤字を垂れ流せば「倒産」してもおかしくありません。私が窮状を訴えても古参の僧侶たちは「創建以来400年もなんとかやってきたのですから大丈夫です」と取り合ってくれません。ところが、何度も強硬に主張していると、石上智康総長から、「しがらみのないあなたが改革してくれませんか」と依頼され、2015年7月、代表役員である宗務長に就任。向こう10年間で40億円の予算を与えられ、改革に取り組むことになったのです。

まず力を入れたのが「築地本願寺倶楽部」です。これは、人々の人生や暮らしに寄り添うためのサービスをワンストップで提供する無料の会員制度です。様々な専門家に協力してもらい、たとえば老後資金に不安がある方には、日本生命さんのライフプランナーを紹介したり、遺言や遺産整理についての相談を受ければ法律の専門家を紹介するなど、人生にまつわる不安を解決するためのコンシェルジュとしての機能を果たしています。

さらに、銀座にサテライトテンプル「築地本願寺GINZAサロン」を設け、会員の方に向けて仏教だけでなく歴史やヨガ、生け花についての講座のほか、著名人のトークショーなど生きがいを感じられるような学びと体験の場を提供しています。

現在の会員は約2万3000人ですが、浄土真宗が立教開宗して800年に当たる2024年までに10万人の会員獲得を目標にしています。

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