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愛子さまから両陛下へのお手紙 友納尚子

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ことばへの関心、調べもの好き……大学2年生の内親王。/文・友納尚子(ジャーナリスト)

高等科の卒業レポートは「平安時代の猫と犬」

天皇家の長女、敬宮としのみや愛子内親王殿下は、12月1日に20歳の誕生日を迎えられた。

両陛下は、今後、愛子さまを娘としてだけではなく、国のため、国民のために大事な公務をになう「成年皇族」の一人として見守っていかれることになる。逆に愛子さまにとっては、両陛下は尊敬なさるご両親であることに変わりはないが、成年皇族として少しでも両陛下のお役に立ちたいという思いを新たにされたにちがいない。

お誕生日をむかえる数週間前、愛子さまは新しい親子関係の始まりとなるこの日に向けて、両陛下に宛てて、育てていただいた感謝の気持ちを手紙にしたためられた。

雅子皇后が実家の小和田家でそうだったように、愛子さまも節目の時には、手紙やカードに感謝のお気持ちを綴られ、両親に渡してきたという。

「愛子さまも幼いころから『お手紙ごっこ』といって、両陛下に手紙を書かれてきた習慣がありました」(元東宮関係者)

成人になった愛子さまの手紙を読まれた両陛下は、どのようなお気持ちを抱かれただろうか。雅子皇后は、これまで受け取ってこられた愛子さまからの何通もの手紙やカードを箱の中に保管されている。今度のお手紙も大切にしまわれることだろう。

愛子さまは現在、学習院大学文学部日本語日本文学科の2年生。奇しくも、この度ティアラをお借りした天皇陛下の妹黒田清子さんが学ばれたのと同じ学部だ。黒田さんは、八代集(「古今集」から「新古今集」までの8代の勅撰和歌集)を卒論のテーマに選んだが、愛子さまはこれまで、『古事記』から『源氏物語』『枕草子』といった平安時代の文学まで広く関心をお持ちで、女子高等科の卒業レポートは、「平安時代の猫と犬―文学作品を通して―」だった。

20年12月のお誕生日に際して、宮内庁が発表した愛子さまの学生生活は、

〈日本語学の基礎を学ぶ「日本語学講義」、文学を読むための基本を身につける「日本文学講義」や「日本文学史概説」などの専門科目の他、歴史、外国語(英語・スペイン語)、スポーツ・健康科学などの科目を遠隔授業により履修なさっています〉

といった感じだ。入学時からコロナ禍に見舞われ、当初はオンライン授業に戸惑われたといわれたが、今は慣れ親しんでおられるという。

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愛子さま

なぜ勲章親授を後に回したか

成年にともなう関連行事は、12月1日と5日の2回に分けて行われるという異例の対応となった。

宮内庁は、事前にその理由について「1日は愛子さまの授業があるため」と説明。学業優先は黒田さん成年時の先例を踏まえたものだというが、それはあくまで表向きの理由であって実際には、いまだに尾を引く秋篠宮家の長女、小室眞子さんの結婚問題の影響も考慮したといわれた。

皇室関係者の一人は、次のように説明した。

「清子さんの前例に倣うならば、愛子さまが成年皇族となった12月1日に勲章の親授を行うはずですが、5日に延ばしたのは、前日の11月30日が秋篠宮皇嗣殿下の誕生日であるためです。会見では、眞子さんの結婚に関して、ご両親のお気持ちを尋ねる質問が出ることは避けられません。会見の内容によっては、新聞、テレビで大きく取り扱われる可能性があり、翌日の愛子さまの成年行事の報道の扱いが小さくなってしまい、慶事に水を差しかねません。小室圭さんが弁護士試験に不合格になったことで、いまだ尾を引く眞子さんの結婚問題が騒がしい中、愛子さまの勲章の親授は行わない方が良いと結論付けたようです」

4年にわたり紆余曲折のあった眞子さんの結婚問題は、今でも皇室全体にマイナスの影響を及ぼしている。国民の支持を一日でも早く取り戻したい宮内庁としては、愛子さまの成年の行事がなるべく大きく報じられてほしいと考えているようだ。

黒田清子さんが成年になった平成元年(1989)は昭和天皇の喪中だったため、お誕生日当日は勲一等宝冠章(現在の宝冠大綬章)の親授式だけが行われたが、祝賀行事は年をまたいで行われ、祝宴も晩餐会も催され盛大なものだった。翌日も茶会などの行事は続き、多くの人たちから祝福を受けられた。

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黒田清子さん

ティアラ借用は愛子さまの提案

あれから32年。愛子さまの成年行事では、祝宴やお茶会、晩餐会は中止となった。コロナ禍ということもあり、派手なことは控えるべきだというのが、両陛下の基本方針にあった。平成以降、女性皇族が成年を迎えるたびにティアラなどの宝飾品が新調されてきたが、愛子さまに関しては新調しないことになった。これは愛子さまから直々のご提案だったという。

今では、女性皇族の象徴ともされるティアラだが、元々は海外の女王が日本に招かれた際に着けていたもので、日本には着ける伝統や習慣はなかった。その歴史的な経緯を知った愛子さまは、新しいティアラを製作しないことを両陛下にご提案。3人で話し合われた結果、黒田清子さんのものを借用することにしたのだという。

お誕生日当日の12月1日は、ご家族や宮内庁関係者らによる内輪のお祝いがつづく。午前中は学習院大学文学部のオンライン授業に御所からご参加。午後5時から天皇皇后両陛下とご一緒に宮内庁長官と次長、侍従職職員から祝賀を受けられる。

午後7時には、天皇ご一家でお祝い膳を囲まれる。献立は、やはり清子さんが成人した時に出された献立を参考にしたと言われ、大膳課が2週間前から作案。季節の野菜や魚などを取り入れた門出を祝う華やかな品々が並ぶという。

成年行事の本番は、正式な行事が1日続く5日のほうだ。

午前中は、愛子さまは裾が地面まで達する参拝服で宮中三殿をご参拝。宮殿「鳳凰の間」では、初めて作ったという「ローブ・モンタント」(肌の露出の少ない、襟が高くせり上がった昼用ドレス)姿で、陛下から勲章を受けられる。続いて「薔薇の間」に移られて、別所浩郎侍従長から勲章の証書が伝授される。

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