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【連載】EXILEになれなくて #2|小林直己

第一幕 LDHに なぜ人は人生をかけようと思うのか?

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一場 なぜ、EXILEは国民的グループになりえたのか?

「なぜ、EXILEは国民的グループになりえたのか?」。そういった質問をインタビューで受けることがある。メンバーとして自らの口から大それたことは言えないが、それでも、多くの人たちから応援していただいている実感を、ライブなどで感じている。

 現在、19人のメンバーを擁するEXILEは、パフォーマンスを引退したHIRO、 MATSU、ÜSA、MAKIDAIを除く15人体制で、ライブなどの活動を行なっている。2001年に始動(←結成:1999年/メジャーデビュー2001年)し、メンバー編成を変えながらも、新陳代謝を繰り返し、その志を受け継ぎ、想いは変わることはなく、来年2021年には20周年を迎える。これまでのアルバム累計出荷枚数は1800万枚以上、2003年からのライブツアー動員数は800万人以上、レコード大賞は史上初の通算4度を受賞している。手前味噌ながら、モンスターグループである。

 何をもって国民的、と評するかはわからないが、「Rising Sun」、「Choo Choo TRAIN」といったダンスナンバーや、「Lovers Again」、「Ti Amo」といったバラード曲などの楽曲を、ボーカルが歌い、その周りでパフォーマーと呼ばれるメンバー達が踊る様は、オリジナルのスタイルであり、言葉を恐れずに言えば、EXILEが定着させたスタイルであると言える。特に、マイクを持たないダンサーを「パフォーマー」と呼び、メンバーの一員として認知させたのは、EXILEに他ならない。

 そうした活動を続けていく中で、黒いスーツや日焼けした肌、ヒゲや、ドレッドなどの特殊ヘアーをビジュアル・アイコンとして取り入れる。J-POPのフィールドに、メンバーの音楽的ルーツである、Hip HopやR&Bを取り入れた音楽をパフォーマンスする。そういったものが、一つの文化として「EXILE系」という表現をされるようになっていった。中途で加入した僕自身、加入前には、EXILE系が持つイメージに憧れ、服装や行動、言動などを真似したりと影響を受けていた。しかし、のちに、メンバーになってからその話をすると、そのスタイルはただのビジュアル・イメージに収まらないことを知った。この群雄割拠の芸能界において生き残っていくための戦略の一つとして、自身のルーツを示すアイデンティティをミックスし、新たなスタイルとして打ち出していくために編み出したものだと聞き、さらに興味深くなったことを覚えている。今では、そういった強面なビジュアルのメンバーだけでなく、様々なタイプがEXILEにいる。強さがもてはやされていた時代から、流行が変化し、優しいものが求められる時代に、自然に合わせているのではないか。芸能界という場所で、人気によって左右されるJ-POPシーンにおいて、20年と続くグループであるが、グループそのものが時代を映し出す合わせ鏡のようになっていると感じている。

二場 EXILEのイメージ

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