見出し画像

大学受験に役立つ古典#8 「古典」こそ当たり前だが「古典」が効く

文・三宅香帆(文筆家・書評家)

 さて、ようやく「国語」のパート。まあさすがに古典の本領発揮というか、読むこと書くことについての問題なんだから、読むこと書くことの練習が効くのは当たり前のことである。

 というわけで、現代文と古典で分けて話をしよう。まずは「古典」部分から。

 大学受験における古典科目といえば、日本の「古文」と中国の「漢文」のふたつのことを指すことが多い。古文は、よくわからない和歌を読まされたり、漢文は、よくわからないお説教を読まされたり、わりと受験生界隈では評判のわるい科目と聞く。悲しい。だけどじゃあなぜ古典が大学受験で必要とされるのか? と言われると、それがこの国のアイデンティティのひとつになっているからだろう、と答えるほかない。私たちの言語の礎を知ることは、私たち自身について知るということでもあるのだ。

 だけど、古典って科目意味わからないんですけどー! と嘆くきみに、「実際の古典をダイジェスト版でもいいからまずは読む」ことをおすすめしたい。

 というのも、そもそも古典というのは、問題で引用される内容が「限定されている」ことに特徴がある。実は、範囲がめっちゃ狭い分野だってことだ。たとえば現代文だと問題文に使われる文章はこの世に膨大な量がある。数学だとある意味無限に問題はつくれる。理科も社会もそうだ。だけど、古典だけは、問題は無限につくれない。だって、問題でつかう内容は、「古典作品」つまり過去に出尽くしたものなんだから。

この続きをみるには

この続き: 771文字
この記事が含まれているマガジンを購入する
文藝春秋digitalが送る「2020年の論点100」は、幅広い教養が手軽に身につくマガジンです。今最も人気がある100人の論者が100個の論点を明快に解き明かします。激動の2020年を生きるあなたの強い味方になる1冊です。

日本を代表する知識人たちが2020年に日本が直面する100の課題を徹底的に論じた教養マガジン。小論文対策をしたい高校生から、レポートに...

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

サポートありがとうございます。もっともっと面白く、クオリティが高いコンテンツを作っていけるよう、頑張ります。

ありがとうございます!
1
シェアしたくなる教養メディア。100年近くの歴史がある総合月刊誌「文藝春秋」が、あなたの人生を豊かに彩るコンテンツを毎日お届けします。 Facebook:https://www.facebook.com/bungeishunju/