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短歌|堂園昌彦

情緒

五月の椅子の背に飛び乗って悲しみをひととき途絶えさせる雀よ

蟻が蟻を運ぶようだね昼日中ひるひなか手荒れの花畑荘厳に

彼女はいつも曼荼羅のようになりたくて戸棚に花を匿す毎日

こころはいつかあなたに殴り殺される/この場を借りて言うお礼たち

春先の花溢れ出る指先のみんな気持ちの化け物だから

鳩が飛ぶ、ことにそれほど意味はなくひかり泡だつ街を見ていた

春の最中に屏風にえがかれ動けない小さな雀、すずめ、雀よ

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