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直木賞作家・角田光代さんが語る「いつまでも自分らしく生きるための心構え」

今 、シニア世代の生き方が問われています 。長寿化でますます長くなるセカンドライフ(老後の生活)を明るく楽しく過ごすためには何が必要なのか。作家の角田光代さんにお聞きしました。

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角田光代さん(作家)
1967年神奈川県生まれ。‘90年「幸福な遊戯」でデビュー。直木賞受賞作『対岸の彼女』や『八日目の蝉』『紙の月』など著書多数。2月27日には現代語訳を手がけてきた『源氏物語』の最終巻を出版。

うちの家系は短命なので、私も長くは生きないだろう、長生きしても70歳くらいまでだろうと思っていました。でも、50歳になったら70歳まであと20年しかない。それに気づいてからは欲が出て、もう少し長く生きたいと思うようになりました。

年齢を重ねるにつれて経験が増え、自意識が外れ、若い頃よりも自分が書きたいと思えるものが書けるようになりました。このまま進めば、いつか自分がたどり着きたい「まだ誰も見たことのない美しい小説」が書ける気がしています。私は年をとることは決して悪いことではないな、と思っています。

セカンドライフの前に自分を知ることが大事

ただ、今の50〜60代はその上の世代に比べて老いることにとても抵抗があるように思います。私は1967年生まれですが、私より前の世代はちょうどバブルの頃が20代。右肩上がりに成長していく日本社会で育ったせいか、自分たちが終わりゆく年代に入った、という印象が持てずにいるのでしょうね。

私たちは結婚をしない、子どももを持たない、という選択が広がり始めた最初の世代でもあるように思います。だから、上の世代に「こうなりたい」と思えるサンプルが見当たらず、これからどう老いていけばいいのか?みんなが模索しているように感じます。上の世代とは違う、自分たちらしい老い方を見つけること。それが私たち世代にとっての大きなテーマだと思います。

私はそのために必要なのは、自分を知ることだと思います。そして、健康であることと同じくらい仕事も大事だと思っています。自分のやるべきことがあり、それによっていくらかでも賃金を得ることは、いくつになっても人の生きる力になるからです。でも、仕事は苦痛でしかない人もいるでしょう。どんな老後がいいのか、どんな生き方が幸せなのかは人によって異なります。

そして、どんな生き方を選んでもお金は大切です。昨年「老後には2000万円が必要だ」と騒がれ、多くの人が動揺しましたが、あの金額はあくまでも平均値。必要な金額は一人ひとりが考えなくては。人生100年時代では、自分はどんな暮らしをしたいのか、長生きした場合にも安心して過ごすにはどんな備えが必要なのかを考えておくことが大切だと思います。

60歳からまた自由な旅へ目標に向け働き方改革中

実は私には「60歳を過ぎたらまたバックパッカーとして旅に出る」という大きな目標があります。若い頃はバックパックを背負っていろんな国を旅していたのですが、40代頃から仕事が忙しくなり、たった1週間の旅も難しくなりました。なので、60歳になったら必ずまた旅に出ようと心に決めて、仕事のやり方を変え始めたところです。とにかくまだ行ったことのないところへ行って、スケジュールを決めずに1カ月くらいのんびり過ごしたいですね。それに海外には、長く生きている人に優しく、ちゃんと敬う人が多いと感じます。そういう意味でも、若い頃とはまた違った旅になりそうで、今からとても楽しみなんです。(談)

グラン修正

※1 トンチン性とは、死亡した方の持分が生きている方に移ることで、より多くの給付が与えられる割合のことをいいます。
※2 健康状態などを無告知で加入できます。健康状態等についての告知は不要ですが、当商品の特徴を十分にご理解のうえ、ご加入をご検討ください。
●ニッセイ長寿生存保険(低解約払戻金型)は、死亡保障を行わないため、年金開始日前に被保険者が死亡されたときは、解約払戻金と同額の死亡払戻金しか支払われません。
●解約払戻金は、低く設定しており、低く設定する割合を70%としているため、保険料払込期間中どの時点で解約しても、払込保険料の合計額よりも少ない金額となります。特に、ご契約後の経過年月数によっては、解約払戻金はまったくないか、あってもごくわずかです。
●解約払戻金を一時払の保険料に充当して、保険料払込済の保険契約に変更する取扱いはありません。
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●当広告に記載のお支払事由や給付に際しての制限事項は、概要や代表事例を示しておりますので、あくまで参考資料としてご利用ください。
●詳しい検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり―定款・約款」を必ずご確認ください。

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提供/日本生命保険相互会社
photo : Kiichi Matsumoto / text : Miho Katsuki / design : Haruka Noda

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