見出し画像

数字の科学 モンスター群の属する次元

サイエンスライターの佐藤健太郎氏が世の中に存在する様々な「数字」のヒミツを分析します。

今回の数字:モンスター群の属する次元=196,883次元

新型コロナウイルスによる犠牲者は、とどまるところを知らず増え続けている。そして4月11日、その列の中に数学者ジョン・ホートン・コンウェイの名が加わってしまった。

「マセマジシャン」(数学者と魔術師の合成語)とも呼ばれた彼は、いたずら好きでカリスマ性に溢れ、様々な小道具を用いて数学の世界を楽しく語ることに長けていた。あるジャーナリストはコンウェイを指して、「アルキメデスとミック・ジャガーとサルバドール・ダリとリチャード・ファインマンを混ぜ合わせて一つにしたような人物」と表現している。

彼の業績で最も有名なのは、「ライフゲーム」の開発だろう。コンピュータ画面上の1群のドットが、一定の規則に従って増減するだけのごくシンプルなものだが、その成長と減衰の様子は予測不可能で、見る者を魅了せずにおかない。1974年には「タイム」誌が、「ライフゲームの大群が、数百万ドルの貴重なコンピュータ資源を食ってしまっている」と報じたほど、このゲームは数学者たちを熱狂させた。

続きをみるには

残り 529字
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju

文藝春秋digital

¥900 / 月

月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…

「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了しました。今後は「文藝春秋 電子版」https://bunshun.jp/bungeishunju をご利用ください