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角栄先生と父の対話|武見敬三
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文・武見敬三(参議院議員)
自民党新型コロナウイルス関連肺炎対策本部の顧問として、経済を生かしながらコロナを封じ込める最善策とは何か、自問自答する日々が続いている。
今、世間を見渡すと、「なぜ、政府は緊急事態宣言を出さないのか」「もっと夜の街を取り締まれ」「補償がなければ死んでしまう」と政府に次から次へと注文する声であふれているようだ。
だが、政府が極端に私権を封じることは、個人の自由と民主主義にとって良いことではない。政府が補償にばかり走ることも、私たちの子孫に大きな負担を残しかねない。補償の原資は税金だからだ。
先日、テレビ番組で「政治家は御用聞きではありません」「何でもお上に頼るのではなく、強い個を育てる必要がある」と申し上げたところ、視聴者から「公が私に尽くすのは当然である」というお叱りの言葉を頂いてしまった。
悩む毎日のなか、政治家の大先輩である田中角栄先生と交わした言葉の数々を思い出す。部屋に入って来るだけで雰囲気が一変するほどの強烈な個性の持ち主だった。
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