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霞が関コンフィデンシャル<官界インサイドレポート>

日本を動かすエリートたちの街、東京・霞が関。日々、官公庁を取材する記者たちが官僚の人事情報をどこよりも早くお届けする。

★官邸官僚たちの異動先

7年8カ月続いた安倍政権の終焉は「官邸官僚」政治の区切りでもある。新政権の下、今井尚哉氏(昭和57年、旧通産省入省)と佐伯耕三氏(平成10年、同)の2人が、首相補佐官、秘書官を退任する。

「安倍政権を潰すつもりか」

官邸内で霞が関官僚を怒鳴りつけ、「傲慢秘書官」のレッテルを貼られた佐伯氏に用意されたのは内閣官房の「グローバル産業室付」。同期のほとんどが主要部局の課長となっていることを考えると、寂しいポストだ。アベノマスクの立案者である佐伯氏は、コロナ対応において厚労省幹部を罵り続けた。他省庁でも「あいつだけは許さない」の声は多数ある。佐伯氏の再スタートは中々に厳しい。

一時、「影の総理」と言われた今井氏は内閣官房参与となる。安倍晋三前首相が「今井君の面倒は私がみる」と言い、いずれ政府系機関へ転出すると見られるが、霞が関での今井の評判は佐伯氏と同様に、芳しくない。内閣官房参与の就任は「冷却期間をとる意味合いからだ」(経産省幹部)。

別の道を模索する“官邸官僚”もいる。タレント菊池桃子の夫として知られる新原浩朗氏(昭和59年、旧通産省)だ。新原氏は、「働き方改革」「一億総活躍」「Go Toキャンペーン」などの目玉政策を立案した。7月人事で経済産業政策局長にとどまったことで、事務次官の目も残された。が、安倍退任で完全に潰えた。「これで学問の道に進める」と周囲に漏らす新原は、経済学者への転身を思い描いているという。

★異能の首相秘書官

6人いる首相事務秘書官のなかで、際立った存在なのが経産省出身の門松貴氏(平成6年、旧通産省)だ。

7年8カ月にわたり、菅義偉官房長官の秘書官を務め、朝の散歩にも同行する。

慶應大環境情報学部から技官として入った門松氏は「若手の頃から頭の回転が速く、理系と文系の両方の発想ができる」(同省課長)という。

菅首相との関係は、菅氏が小泉純一郎内閣で経産大臣政務官だった平成15年までさかのぼる。当時門松氏は事務秘書官。総務副大臣時代には、省を超えて門松氏は菅氏に助言を続けた。また総務大臣時代に政務秘書官だった菅氏の長男・正剛氏を非公式に支えたことは知る人ぞ知る話だ。

残る5人の秘書官は、増田和夫(昭和63年、旧防衛庁)、鹿沼均(平成2年、旧厚生省)、高羽陽(7年、外務省)、大沢元一(同、旧大蔵省)、遠藤剛(同、警察庁)の各氏。

他の秘書官と比べて入省年次が高い増田氏は安倍首相の秘書官(事務)からの「居残り組」。安倍首相の辞任直後、増田氏が防衛省大臣官房に強く続投を希望して、菅氏が受け入れた。異例の人事だ。

次に年次の高い鹿沼氏は、かつて菅官房長官の秘書官を5年務めた「出戻り組」。経産、外務、財務省からの秘書官にも、鹿沼氏と同年配の平成3年入省の同期トップが予定されていたが、首相の「気心の知れた人間」との希望で、いずれも官房長官の秘書官(事務)からそのまま首相秘書官にスライド昇格した。

首相演説の草稿を含め、政策面では高羽、大沢両秘書官が責を負う。首相受託演説は高羽氏が担当した。

事実上の首席補佐官である和泉洋人首相補佐官(昭和51年、旧建設省)と門松氏の老若コンビが、「官邸の重石」の異名をとる杉田和博官房副長官(41年、警察庁)の協力を得て官邸を回すことになる。

★デジタル庁に漂う緊張感

菅首相の目玉政策であるデジタル庁の実現に向け、各省庁が走りだした。総務省と経産省は族議員を巻き込んで争うのが常だが、そうした気配はまだない。スピード重視の首相の目が光っているだけに、両省庁には「足を引っ張っていると思われたら、役人生命が終わってしまう」(幹部)と緊張感が漂う。

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