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丸の内コンフィデンシャル<財界インサイドレポート>

日本の経済の中心地、東京・丸の内。敏腕経済記者たちが“マル秘”財界情報を覆面で執筆する。

★財界総理の後任人事

20年7月にリンパ腫が再発し、入院中の経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)の去就に注目が集まっている。

2期目の中西会長の任期は22年5月31日まで。だが、入院以降、会長会見も治療のために中止することも度々。コロナ禍で苦境を迎えているにも関わらず経済界として政府や自民党に何ら意見表明できていない。

現在、審議員会議長の古賀信行・野村ホールディングス特別顧問が“代役”を務めているが、はっきり意見をいわず、常に逃げ腰。経団連事務局も頭を抱えている。

退院の見通しが一向に立たぬことから、中西氏には21年5月での“勇退”まで囁かれ始めた。途中交代は経団連史上初めてだが、後任人事についての情報も飛び交う。

会長となる要件としては、(1)出身企業のトップ(社長または会長)経験者で経団連副会長かその経験者、(2)製造業出身、(3)出身企業の健全な財務基盤に支えられた資金力、(4)豊富な国際経験――が挙げられる。

中西氏が任期切れまで務める前提における筆頭候補は、トヨタの豊田章男社長だった。豊田社長が21年5月に副会長に就任、1年後に会長へ昇格というシナリオが取り沙汰されていた。「だが、21年5月に中西氏が退任すると豊田氏の目は完全になくなる」(副会長の一人)。

残り任期のワンポイントリリーフの最有力候補として、日本製鉄の進藤孝生会長の名前が挙がる。現在、副会長の進藤氏だが、21年5月末に任期満了となる予定だ。

三菱重工業の宮永俊一会長や三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行会長らの名前もあがる。ただ三菱重工は、日本初の国産ジェット旅客機の“離陸”に失敗しており、経団連の会長をやる余力はない。

平野氏は「自分から手を挙げなくとも請われれば引き受けるはず」(三菱グループ幹部)。だが、銀行は経団連で裏方に徹するべきとの意見が多く、あくまで本命は進藤氏と見られている。

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経団連会館

★「女性副会長」誕生か

その経団連では、副会長人事についてもさまざまな情報が乱れ飛ぶ。

21年5月末に2期4年の任期満了を迎える副会長は4人だ。三菱電機の山西健一郎特別顧問、トヨタ自動車の早川茂副会長、大成建設の山内隆司会長、日本製鉄の進藤会長である。

山西氏の後任は電機業界から選ばれるエレキ枠だ。NECの遠藤信博会長(審議員会副議長)が最有力。NECから副会長が出れば、故・関本忠弘氏(副会長、評議員会議長を歴任)以来となる。

パナソニックの会長に就任する津賀一宏社長(審議員会副議長)の名前も浮上しているが、「本人は乗り気ではない」(パナソニックの元役員)。「一番やりたがっている」(経団連関係者)とされるのが東芝の車谷暢昭社長だが、「財界活動の前に、自社の業績の立て直しや信用の回復が先決だ」(財界首脳)。エレキ枠の候補者たちは、いずれも迫力不足の感が否めない。

早川氏の後任はトヨタから出るとみられているが、「誰が出てくるかまったく分からない」(経団連幹部)という。

山内氏は建設業界初の副会長に就いたが、建設業界に後継者はいない。

副会長の人選で注目される女性副会長だが、今回、山内氏の後釜に女性を起用する可能性がある。現在、審議員会副議長をつとめる野田由美子・ヴェオリア・ジャパン会長、武内紀子・コングレ社長、二人の名前が取りざたされるが、「中西会長はディー・エヌ・エーの南場智子会長にご執心。南場さんが受ければ、それで決まり」(副会長の一人)ともいわれている。

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南場氏

★ドコモ値下げの裏で

NTTドコモ(井伊基之社長)がこの3月に新しい料金プランを導入する。

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