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外国人受け入れ拡大 急増するムスリムにどう向き合うべきか

文・宮田律(現代イスラム研究センター理事長)

 日本政府は労働力不足に対応するために、2019年4月から新たな外国人受け入れ制度をスタートさせ、5年間で34万5,000人を受け入れる計画でいる。

 そうした中、近年急増しているのが、ムスリム(イスラム教徒)だ。では、日本人は、特に文化や慣習にあまり馴染みがないムスリム移民や難民たちにどう向き合っていったらよいのだろうか。

 現在、日本に滞在する外国人ムスリムの数は10万人余り、日本人ムスリムの数は1万人と見積もられている。目立って多いのはインドネシア、マレーシアの東南アジア諸国、パキスタン、バングラデシュの南アジアの人々だ。東京など大都市で多い職業はIT関連の企業関係者、郊外や地方では工場労働者で、中には中古車販売など個人経営者たちもいる。

 日本で暮らすムスリムがイスラムの宗教慣行を維持する場合、日本人が特に配慮しなければならないのは、1日5回メッカ(マッカ)に向かって行う「礼拝」と食べ物だろう。イスラムでは豚や酒類を口にすることを禁じている。近年は日本でもイスラム法で許容されたものを意味する「ハラール」認証されたレストランやホテル、食品販売が増えてきた。国内で暮らすムスリムやムスリム観光客を意識してのものだ。

 群馬県館林市には、ミャンマーで軍や仏教過激派から暴力的弾圧を受けて国際的ニュースになったイスラム系少数民族のロヒンギャ族が生活している。その数は、日本滞在300人のうち260人にのぼる。同市で「在日ビルマロヒンギャ協会」難民部門代表を務めるアウンティンさん(51歳)は、日本で子どもたちが暮らす上で不便を感じたことはないと言う。学校側によく理解があり、礼拝室を設けてくれたり、礼拝の機会を与えてくれたりすると語っていた。学校にはハラール食の弁当をもたせるのだそうだ。ムスリムの家庭の子どもが給食の代わりに、弁当をもって来ることに対し日本の学校でも理解が広がっているという。また、アウンティンさんは現在中古車の販売業を営むが、会社に勤めていた時も上司は礼拝に理解があり、仕事を休んで決められた時間に礼拝をすることができたという。

 一方で、日本のムスリムたちも地域社会にとけ込む努力をしている。大塚モスク(マスジド大塚)では、東京大塚阿波おどりが催された際、チキンティカ(ヨーグルトと香辛料につけ込んだ鶏肉を焼いたインド・パキスタンの料理)やチキンカレーを売っていた。阿波おどりを観ていた大塚在住の高齢の男性に尋ねたところ、最初は、ムスリムは気味が悪かったけれど、彼らの日頃のふるまいを見ているうちに段々慣れてきたねと語っていた。

 同じく、クルド人はトルコ、イラク、イラン、シリア、旧ソ連などに分断されて暮らす世界最大の少数民族だが、日本にはトルコ政府の人権侵害を訴えて生活するクルド人が2,000人ほどいる。特に埼玉県川口市に居住し建設現場で働く人が多い。ワッカス・チョーラク・日本クルド文化協会の事務局長は、クルド人たちは川口市でクルドの料理教室、クルド音楽のコンサート、フットサル大会などを催したり、またゴミ拾いの活動も行ったりしていると述べていた。さらに、クルド人の子どもたちには日本語教室を開いて、日本人とのコミュニケーションを円滑にしようともしている。クルド人の少年たちがコンビニでたむろしていることに地域住民から苦情が出たために、パトロールも行うようになった。

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