藤崎彩織 ねじねじ録|#10 やっちまった!
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藤崎彩織 ねじねじ録|#10 やっちまった!

デビュー小説『ふたご』が直木賞候補となり、その文筆活動にも注目が集まる「SEKAI NO OWARI」Saoriこと藤崎彩織さん。日常の様々な出来事やバンドメンバーとの交流、そして今の社会に対して思うことなどを綴ります。

Photo by Takuya Nagamine
■藤崎彩織
1986年大阪府生まれ。2010年、突如音楽シーンに現れ、圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感で「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た4人組バンド「SEKAI NO OWARI」ではSaoriとしてピアノ演奏を担当。研ぎ澄まされた感性を最大限に生かした演奏はデビュー以来絶大な支持を得ている。初小説『ふたご』が直木賞の候補になるなど、その文筆活動にも注目が集まっている。他の著書に『読書間奏文』がある。

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やっちまった!

 最近酷い倦怠感と共に起きて、「やっちまった!」と思うのが怖い。
 3度の緊急事態宣言によって外で誰かと会う機会が極端に減った。バンドメンバーとスタッフで話し合い、「今は家族と仕事関係以外の人と会うのは控えよう」と決めたのは良いものの、夜になるとうずうずと飲みたくなってしまう気持ちは変わらず、自宅で1人で飲むことが増えたのだ。
 誰かと飲む方がお酒の量は増えそうだが、私の場合はそうではなかった。
外で誰かと話しながら飲んでいると、「疑問に思ってる事を聞いてみよう」とか、「この話はメモを取っておけば、後日何かに使えるかも」みたいな事を考えているので、後悔する程飲んでしまう事は滅多にない。
 ちょっとペースが早かったなと思えば、すかさずお水を頼んだり、アルコール度数の低いものに変えるくらいの作法はこれまでお酒を飲みながら身につけてきた。
 それなのに、1人で飲んでいると際限なく飲んでしまうのだ。

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