見出し画像

レベッカ・ウラッグ・サイクス著、野中香方子訳「ネアンデルタール」

文・角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)

彼らも最新技術を備えた人間だった

 ホミニン(ホモ・サピエンス以外の絶滅した人類)というのは、どうにも気になる存在だ。初期のホモ・サピエンスは、きっと面白い体験をしたにちがいない。どこか知らない土地に旅して、そこで暮らす別の人類種と出会う。そのときどんなやり取りがあったのか。なかでもネアンデルタール人は別格の存在だ。最近(4万年前)まで生きていたのに、なぜか消えてしまった隣人には、そこはかとない悲しみとロマンが漂い、他人事とは思えないのである。

ここから先は

951字 / 1画像
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju

文藝春秋digital

¥900 / 月

月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…

「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了しました。今後は「文藝春秋 電子版」https://bunshun.jp/bungeishunju をご利用ください