見出し画像

詩 岩倉文也「終わらない散歩道」

文藝春秋digital

終わらない散歩道

遠く仄暗い山あい 鳴き交わすひぐらしの声をきいたとき
ぼくの運命は決まった
まだ夢の廃屋はふくらんでいる
だが足首をくすぐる草叢のなかに
ぼくを呼ぶ野良猫はもう
いない─ただ、きみに合わせる顔をひとつくらい
持っていたかっただけなのに。赤い空にまなざしは溶けゆく
ぼくがここにいること
それは誤謬ではない
失われるすべてのために ぼくは今日も夕ぐれを見ていた


この続きをみるには

この続き: 0文字
この記事が含まれているマガジンを購読する
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に幅広いテーマの記事を配信しています。政治家や経営者のインタビュー、芸能人の対談、作家のエッセイ、渾身の調査報道、一流作家の連載小説、心揺さぶるノンフィクション……月額900円でビジネスにも役立つ幅広い「教養」が身につきます。

文藝春秋digital

¥900 / 月

一流の作家や知識人、ジャーナリストによる記事・論考・ルポルタージュなどを毎日配信。執筆陣のオンラインイベントも毎月開催中。月額900円で記…

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
文藝春秋digital

記事へのご意見・ご感想をお待ちしています。「#みんなの文藝春秋」をつけてご自身のnoteにお書きください。編集部がマガジンにピックアップします。皆さんの投稿、お待ちしています!