孫正義 いつも度肝を抜かれる 王貞治 100周年記念企画「100年の100人」
福岡ソフトバンクホークスのオーナーでもある実業家・孫正義(64)。同球団会長の王貞治氏には、孫と共有する“高すぎる”目標がある。/文・王貞治(ソフトバンクホークス社長)
王氏
孫さんは、100年の100人どころか、1000年の10人にも入る人物だと思います。常に10段先、100段先を見据えている。「通信速度を300万倍にする」と仰ったこともありました。孫さんの話にはいつも度肝を抜かれるんです。
初めてお会いしたときもそうでした。2004年、ソフトバンクがホークス買収を発表する前のことです。「とにかく勝つチームにしないといけない。その為に必要なことがあれば、何でも言って下さい。やるからには日本一になって、そして世界一をめざすチームにしてほしい。望むのはその一点です」と孫さんは仰った。「世界一」という言葉を繰り返しておられて、本当にスケールの大きい人だなと思いました。
孫正義
ホークスは2011年に、ソフトバンク体制になってから初の日本一になりました。でも、初めから「世界一」と言われているので達成感がないんですよ(笑)。常にこちらが「まだまだ!」と思わされてしまう。
要求は高いですが、オーナーは「野球のことは任せたよ」というスタンスを崩さない。お金も出すけど口も出す、という球団オーナーは多いですよね。でも孫さんは野球のことには一切口出しをしません。オーナーの指示はただ一つ、「勝つ為に闘え」だけなのです。
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