
連載小説「李王家の縁談」#16 |林真理子
【前号まで】
昭和十二年(一九三七)からの戦争は、終わるどころかますます激しくなっている。それでも人々は日本の勝利を疑わなかった。迎えた昭和二十年五月二十四日。けたたましいサイレンがB29の襲来を報せたその晩、伊都子が暮らした気品溢るる七百坪もの梨本宮邸は、戦火にのまれていったのだった。
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