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【61-社会】ツイッター15年 自由で公正な言論空間は実現したのか|佐々木俊尚

文・佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)

ツイッターは巨大な言論空間

ツイッターは2006年3月にサービスを開始した。日本で最初にブームが盛り上がったのは2009年ごろ、一般に広く使われるようになったのは2011年の東日本大震災の後で、国内でも10年余りの歴史を積み重ねてきている。

当初は投稿を意味する「ツイート(さえずる)」が「つぶやく」と意訳されていたように、プライベートな出来事を投稿する場だった。「ランチなう」など「なう」を語尾につけるのが流行ったのもこのころである。しかしツイッターは次第に政治や社会、経済などについて意見が交わされる場所へと変容していく。

ツイッター社の2017年の発表によれば、日本の月間利用者数は4500万人を超えている。単一のメディアとして捉えれば、新聞やテレビを凌駕しつつあり、いまや日本国内で最も巨大な言論空間になろうとしている。ではこの大メディアは、日本社会にどのような影響を与えたのだろうか。

タコツボ同士での罵声も

ツイッターに限らずインターネットは「タコツボ」になりやすいと昔から指摘されてきた。読む記事や投稿を自分で選択できるため、「自分の見たいものだけを見る」という行動に傾斜しやすい。ツイッターもこの傾向が強く、たとえば過激な反原発運動や反ワクチン運動、陰謀論にはまる人たち、ニセ科学、さらには情報商材系の詐欺商法グループなど、一般社会から乖離した過激な人たちが狭い集団をつくり、その中でしか理解されないような情報を延々と共有し続け、閉鎖的になっていっている。

特定の信念がたがいに増幅されてしまう状況をエコーチェンバー(残響室)効果というが、ツイッター上での政治党派的発言についても同じような傾向になっている。アンチ自民の極端な左派の人たちと、反韓反中の極端な右派は、思想は180度違うにもかかわらず、どちらも排他的で攻撃的という点で非常に似通ってしまっている。タコツボ同士での罵声や中傷の応酬も、日常的な光景になってしまった。

「議論が成立しない」「公共圏たり得ない」とツイッターの言論空間に否定的な見方をする人も多い。しかしわたしはもう少し異なる見方をしている。ツイッターは、公共圏としての言論空間を成立させうる要素も持ち合わせているからだ。

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