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同級生交歓 久留米大学附設高等学校 昭和48年卒

人の一生を左右するのは校風か、学歴か、友人か。意外な組み合わせ、納得の顔ぶれが並ぶ“誌上同窓会”。「文藝春秋」の名物グラビア企画です。

①1月号同級生交歓【見開き】

東京都千代田区 法務省にて(撮影・杉山秀樹)

(右から)
東京エレクトロンコリア元会長
栗木康幸
ルネサスエレクトロニクス元会長
鶴丸哲哉
シティユーワ法律事務所弁護士
青沼隆之

高良山麓の母校久留米大学附設高校は、昨年創立70周年を迎えた。我ら21回生の頃は、九州各県から医師を志す若者が多く集まる私立男子校だった。

現在では男女共学となり雰囲気も随分変わっただろう。私たちの時代は個性的な野武士集団。3日間ぶっ続けの体育祭や、文化祭での組対抗コーラス大会に熱中した。自由闊達な校風で恩師を先生ではなくさん付けで呼んでいた。旧制高校然とした風情だったといえるかもしれない。

私達3人は卒業後長く音信が途絶えていたが、還暦同窓会を契機に再会した。栗木君は江崎玲於奈博士のノーベル賞受賞に触発されて半導体業界へと進んだ。東京エレクトロンで主に韓国を舞台に活躍し、パスポートの韓国入国スタンプは400個になるという。現地法人会長を最後に退職後も彼の地に残ってコンサル会社を立ち上げた。コロナ禍にも拘わらず日韓を頻繁に往復し、同窓会東京支部長も引き受けてくれている。

鶴丸君は高校時代寮暮らしで門限破りの常習。消灯後も遅くまで友人と語り合っていた。奇しくも栗木君と同じ半導体業界に身を置き、日立製作所から現ルネサスエレクトロニクスへと移り、日の丸半導体を背負った。社長を務めた後今年会長を最後に退職した。陽気な彼だが世界的な競争の中での舵取りは苦労の連続だったろう。

私は検事となり、東京地検検事正などを経て名古屋高検検事長を最後に退職し、現在は弁護士。企業の危機管理や内部統制、コンプライアンスを中心に法的助言をしている。今回はコロナ禍で大人数とはならなかったが、歴史ある法務省赤レンガ棟に集まってもらった。

母校の教育理念は、国家社会に貢献し得る誠実にして気概のある人物の育成とされている。在学中教わった「為他、至誠、和而不同」の伝統が続くことを願いたい。(青沼)

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